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2021年の100冊 #4 「顔ニモマケズ」(水野敬也)

2021年の100冊、ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始。ログはスマホで15分で書き上げることを目標にしています。

少しフライングして2020/12/28から始めて、今日は2021/1/2。4冊目はこちら。

2017年刊行。電車広告が出ているとき気になっていたのだけど、ブックオフでたまたま見つけて買ってみた。心があたたまる本だった。そして、こういう考え方で生きている人がいると知れてよかったなぁと思う。

この本が気になる自分とは

「見た目」について人並み以上に関心がある方だと思う。自信と不安両方を持ち、結構気にしいな自分。だから何年も前に気になった本をまだ覚えていた。

ほくろのことで小学生時代に散々からかわれた経験があるけれど、それよりはむしろ「かわいいと言われたい欲」の強さと、「トップクラスにかわいいわけじゃないコンプレックス」がずっとまとわりついているからだと思う。

小4のとき女の子3人で、「えー!〇〇ちゃんのほうがかわいいよ♡」×100 みたいなやりとりをして、「え?わたしかわいいって言われてる?」とお世辞を真に受けたところから始まり、社会人になってまでなおミス・ユニバースの日本大会に出場するというこじらせぶり。

プリクラ時代もインスタ時代も、盛れた自分が好きで、なんだかいつも外見を気にしている。ミスコン挑戦時代に付き合っていた人には、「8割自分のことしか見ていない」と言われたこともある。

(ちなみにミス・ユニバースは外見ではなく90% 内面の闘い。)

だから、「外見」に特徴的な病気をもってうまれた方々が、顔を出して何かを語るというこの本に、苦悩の経験談や前向きな言葉を期待していたのだと思う。

外見だけが人の悩みじゃない

本書では、「夢をかなえるゾウ」の水野敬也さんが、生まれつきのあざや、アルビノ(色素が少ない)、脱毛症など外見に影響を及ぼす何らかの障害を持つ9名にインタビュー。

「”かわいそうな”人の前向きないい言葉」をある種求めそうになるテーマの本書だが、

単にポジティブという言葉では言い表せない、様々な苦悩を経たことから生まれる深みがあると感じました(p.6)。

あまり多くは語られない「悩み」の向こうに、インタビュイーたちは様々な考え方を身につけて生きていた。

スポーツや絵を描くことで、”見た目”以外が会話のきっかけになるとか(海外で、サッカーやオーケストラで通じて語学のハンディキャップを埋めたときの気持ちを思い出す)、外見の障害を持ちながらも働くことが、つらい思いをしている誰かの心の励みになるとか、自分があざを隠さずに過ごすことでこの病気の人がいることを知ってほしいとか。

様々な葛藤もあったであろう中、生きやすさをどこに見出すかというと、その多くは外見のことを気にしていない友人、”内面”を見た発言、もしくは逆に顔の傷に正面から向き合ってもらえることで自分を取り戻している気がする。

そして言えるのは、こうして獲得した生き方・考え方は”外見”の悩みを持つ人だけでなくあらゆる人に言えるであろうということ。リンパ管腫という病気を持つ中島さんはこう語る。

きっと、顔に限った話ではないと思うのです。世の中の人はだれだって、完璧な状態になるということはなく、いつも何かの悩みを抱えながら、その悩みと、そのときそのとき、折り合っていくものだと思うんですよ。

スプートニクの恋人」(村上春樹)の主人公ミュウの言葉を思い出す。

「(韓国籍であることで)たしかに何度か不愉快な思いをしたことはあるけれどそれは社会に出てからのことね。でもそんなことを言えば、社会に出て何らかの理由で不愉快な思いをしない人はどこにもいないでしょう

余談

23歳にもなって、ロードバイクで顔からコケて顔右半分を擦って歯も折るという怪我をしたことがある。

そのときわたしはほとんど気にせず、ガーゼだらけの顔で電車に乗ったりイベントに行ったりしていた。むしろ自分も周りもネタにしていた。

それは自分がめちゃくちゃポジティブだったからというよりは、
・治療すれば治るでしょ
・歯折れたわろた
・若い女の子の顔に傷なんて悲劇のヒロイン
・ガーゼだらけの顔インスタにあげよ。
くらいにしか思っていなかったからである。

「顔の傷について聞くのは気まずい」と数回思われたくらいで、この傷のことでなにか嫌な目にあったこともなく、実際むしろかまってもらえていた。

完治はしていないけれど、歯の治療も顔の治療も一旦ここ1年以上行っていない。

「治療しよう」と思うことは、その自分を受け入れられないということなので、治療の術がなかったり、手術などをしてもほとんど変わらなかったりすればわたしもおそらく絶望したりメイクで濃く隠したりしたと思う。

この「受け入れる、治療する」ことに対しても様々な考えがみてとれる。

何かに自信がなくなっている人はぜひ読んでみてほしい。

(今日は自己分析的文章も挟んだので、書くのに55分かけてしまった。)

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