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母のため、自分のため

自分の人生において、優先順位を間違ってしまわないことはとても重要だと考えている。
こんな日が、これ程早くにやってくるとは思っても居なかった。いや、今でも違和感を持って居るのかもしれない。

8月下旬、母が大動脈解離(A型)というものになり、救急搬送からの緊急手術を行った。人工血管への置換手術のため人工心肺を利用するため、予測されては居たものの合併症として脳梗塞が発生した。

大動脈解離(A型)といえば、発症後1時間に1%致死率が上がると言われていて、一命をとりとめただけでも奇跡といってもいいのだが、術後、意識が戻って来るのに時間が掛かったり、ICUではせん妄が強く出ていたりした。また、ICUから出ても羞恥心みたいなものが薄くなっていたりと、正直気が気じゃない日々を過ごした。

脳梗塞により、当時は左足と右手の麻痺が強く出ており、今後のことを考えたりで、正直仕事にならないと言ってもいい程、衝撃が残っていた。このままどっちも中途半端になるのはよくないと考え、そう、仕事の方を一時的に優先度を下げ、お休みを戴くことにした。

大手のコンサルティングファームでマネジメント職にありながら、休むという決断をするのは気が引けるというのは無かった訳じゃないし、一般の社員の方々には「介護をしながらでも仕事出来ますよ」という立場にありながら休むというのには若干のためらいもあった。

休むという決断をした後も、病院からは、数日後の平日午後に来て欲しいという依頼もあったりしたし、なによりも母の日々の小さな要望を叶えてやりたかった。リハビリの成果には期待していたので、自立した生活をサポートしてくれる、いわゆるサ高住的なものも、いいところを見つけてあげたかった。
それらを実現するには、やはり週末に顔を出すだけでは事足りなかった。

父のことをほとんどサポート出来なかったので後悔している。その分ということではないのだが、自分が成熟しものごとの優先度が変わり、判断力が上がった結果、仕事をスローダウン(というか休む)して母のサポートをする。
これからしばらくそういう生活をしてみようと思っている。

まだ44歳。人生の後半を考えるというには早いとは思っているが、身体はまもなく折り返し地点という感じもしている。母のことを考え、自分のことも考えてみたいと思っている。



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