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学校と教師と子どもたちの裏・表社会。
追記になりますが,児童文学でも小説でもそうですが。 外向的な子供を扱かったり、外向的な人間を使った作品は派手です。しかしながら、宮沢賢治の銀河鉄道の夜に出てくる主人公の2人や,夏目漱石の後半の作品に出てくる男性たちの性格は、どう見ても内向的です。
が,しかし,実は、人間の性質なんて極端に外向的な人から、極端に内向的な人まで、ずらっと並んでいて,赤と青の間に無数の紫色があるように、スペクトラム状態になるんでしょうね。
新任の学校の先輩が,こんなこと言ってました。 1/3理論というやつです。 先生の提案や指示に賛同する者、1/3。 追従するけど,どっちでもいい者1/3。 内心、反対しているのも1/3。
学校というのは,学校の価値や存在意義,社会での役割を肯定した人たちが、「先生」として舞い戻ってきた人たちの集まるところです。ですから,外向的でスポーティーで。 活発で。 明るくて。 陽気で。 リーダーシップがある。そんな先生が。もてはやされます。
しかし。 児童や生徒の1/3から、半分は,内向的な性格をもっていると思われますので。 学校に適用できない子どもは、必ず出てくると思います。 教師にもいろんな個性があって、バリエーションがあると世の中のいろいろな個性を持った子どもも救われるのだと思うんです。
昭和の後期に流行った三年B組金八先生とか。 水谷豊がやっていた熱血教師のような教師ばかりでも困るんですよね。実際のところ。 こういった先生がドラマとして成り立ったのは,授業だけでなくて、授業以外の部分が多かったからなんですよね。
本当に教師が苦しめられている事務仕事は、ほとんど取り上げられていませんし。 子どもたちとか,保護者との関係も、テレビのようにうまくいくとは限りませんしね。
そういえば、ドキュメントで教師を取り上げる番組は令和でも実際にあったとしても,ドラマで教師の役をやるテレビ番組は最近ありませんよね。
学園もののアニメやドラマで出てくる教師も,偏った見方がされていますし、仕事の一部分しか取り上げていませんので,教師の仕事の本質は,一日を朝から晩まで追跡するような,「警察24時」ではなくて、「教師24時」という番組を作ったらいいと思います。
ただし、誰も見ませんから,視聴率は稼げないこと請け合いなしです。本当は,影の部分とか、裏の部分でしないといけないことですが,事務仕事や帳簿整理や成績処理など,そういう部分を知ってほしいなあ,と思います。
さらに最悪なのは,何々教科や、何々の生徒指導や生徒の活動で市の教育委員会、県の教育委員会,はたまたは文部省の指定で「研究指定校」になると、まさに地獄の日々ですね。
私の経験では、新任校で体育での愛知県からの研究指定があったこと。 中学校では、道徳の研究指定校に当たったこと。コンピューター教育の研究指定校になったこと。 食育で給食活動の研究指定校になったこと。 などが思い出されます。
そうなると、ほかの教科はそっちのけで,ひとつの教科や活動に専念して、レポート作成をして提出したり,(市・県・全国規模での)公開授業をしなければならないというハンデを背負うので,研究のための研究をしているという非常に虚しい感覚がに襲われますね。
それで、子どもたちが「良くなった。向上した。」という結果を示さないといけないということで,まとめ上げるのも大変な作業でした。 結局のところ、お役所仕事の末端ですから。 そういうところも「働き方改革」に含めて欲しいなと思います。
約二十年前から始まった。たしか六年生と中学校三年生あたりで全国規模でやる共通テストもやめてほしいです。問題の作成には関わっていないという建前ですが、ベネッセが関わっているというのは本当のことです。 結局、一つや二つの企業が儲かるからやってるようなものです。
全国学力テストをやったからといって,全国(県)平均より高かったからとか、低かったからとか一喜一憂するのもバカらしいです。 だからといって、文部科学省はこういう指導をしなさいとか、こういった弱点を克服しなさいとか具体案を示しません。特に、実態についての具体的な分析や指導法は,個々の市や学校に任されます。