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【エッセイ】推す人たちに見る、普遍的なタイプ

(1273文字)

推し。
今やすっかり市民権を得たこの言葉。
推しのおかげで毎日を頑張れる、という人も少なくないそうだ。
ボクはあまりこの感覚がわからない。
好きなアーティストだったり、役者さんだったり、漫画家や作家さんはいるけど、なんというか「推す」感覚はない。
活動し続けて欲しいとは思うけど、積極的に応援するという感覚もない。
だから、推し活を頑張る人たちの気持ちがイマイチ掴めない。
いや、批判しているわけじゃなくてね、単純に分からないだけ。

妻は推し活をするタイプで、やはりそれが生活の支えになっているようだ。
以前、そんな妻と話をしていた時のこと、そうしたファンのコミュニティの話になった。
今はSNSで簡単に繋がれますからね。ファンサイトやら、コミュニティも多いようで。
するとそのコミュニティの中に、必ず現れるタイプがいるという。

アーティスト側に立つタイプ。

古くからのファンで、熱狂的なファンに多いらしい。

「○○さんはこういう人だから、そういうこと言わない。こうした方が喜ぶ」

という感じでね、何を知っているんだか分からないけど、推しのことなら全て分かっているような言動で、コミュニティの中で上に立とうとする。まぁ、マウントですね。
その話を聞いて思い出したのが、ホストクラブにハマる人たちの話。
一番の太客がそうですよね。
そのホストに他の客より近い位置にいようとして、これ見よがしに金を使い、それをアピールする。
地下アイドルにハマる人たちにも同じ図式があるらしい。
誰が見ても一番金を使うファンが、コミュニティの中でも有名になって一目置かれるという。
どうやら、何かを中心としたコミュニティでは、どこでも起こることのようだ。
かといって、コミュニティの人に尊敬されるわけではなさそうだけど。
むしろ嫌われるんじゃないかな。

アーティストやアイドルが売れていき、ファンが多くなれば、こうした人数も増えていく。そしてボクにはある集団と同じように感じてしまう。

宗教ですね。

もちろん宗教にも様々あるけど、キリスト教や仏教の始まりでも、キリストやブッダを中心として、同じようなことがあったんじゃないかな。
コミュニティで生きていく戦略のひとつだと思うんですよね。それが効果的だったから、未だにその戦略をとる人がいる。本能的にね。
そして今、そうした人たちをうまく使って、金儲けにつなげる新興宗教もある。

だから思うんですよね。
中心人物側に立ち、マウントを取ろうとしてくるタイプ、これに名前をつけて欲しい。
そして○○になったと思ったら一旦落ち着け、と言えばわかりやすくて、暴走も多少止められるような。
ちなみに、妻が推し活で子供の教育費を使い込んでいた、なんて話を聞いたことがある。意外と多いらしく、その話をしてくれた人は、頻繁にそういう相談を受けているらしい。
暴走すれば、活力となるはずの推し活も、やっていることはギャンブルと変わりなくなる。

それにしても、ボクはそうなる人たちの気持ちが分からないから、単純に話を聞いてみたいなぁ。
でも、あなたマウントしてますよね?なんて聞けないもんな。

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