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【エッセイ】SNSとホモ・サピエンス

(1823文字)
多くの登山者が使っている登山アプリ。
GPSで現在地がわかる地図と、その地図に歩いた線が入る登山記録、その地図を基にした登山計画を作ることができる。
さらに、その登山記録を公開してコメントをやりとるする、いわゆるSNS的な役割も持っている。
一番のシェアを誇るのがYAMAPで次が老舗のヤマレコ。
YAMAPはおしゃれ感があるのとインターフェイスが使いやすいからか、初心者から中級者が多い。
ヤマレコは登山に関する機能が充実していて、中級者から上級者が多い。

ボクは使いやすさからYAMAPを使っていたけど、求める機能がないことなどから、今はヤマレコを使っている。
使い比べてみると、アプリの性格もユーザーの性格も大きく違う。
簡単に言えば、ヤマレコは登山のためのアプリだけど、YAMAPは登山をする人たちのSNS。地図機能のついたインスタグラム+ブログという感じ。

YAMAPをずっと使っていたら、山での知り合いが増えた。ユーザーが多いので「YAMAP使ってますか?」と聞かれることも多く、そこから相互フォローするという流れ。もちろんアプリの中だけで相互フォローすることもあった。

ボクは300人弱の相互フォローしている人たちがいた。
そうなると、毎日タイムラインにフォローしている人たちの記録が上がってくる。休日の後などは追うのが大変なくらいアップされることもあった。
そうなると、いろいろ気になるわけですよね。どの人がどの山に登ったか。
あ、行きたいって言っていた山に登ったんだな、なんてほっこりすることもあるけど、〇〇山に連れて行ってくださいなんて言っていたのに、別の人と行ってるじゃんなんてモヤッとすることもあったり。

今はヤマレコを使っているけど、YAMAPだけを使っている人とのつながりもあるのでアカウントは消していない。
それでもフォローしている人が多いと要らない情報が多すぎるので、付き合いの深い人以外のフォローを外しているところ。まだ途中だけど、今は300人が80人くらい。最終的には20人くらいになるかと思う。
外されたと気がついて気を悪くしている人もいるかもしれないけど、今はヤマレコを使っているのでと自分に言い訳しつつ。

さて、前置きが長かったけど、ここからが本題。
ボクはYAMAPのフォローをだいぶ減らしたけど、困ったことがあったか?

答えはNO。何にも困らない。

だけど、YAMAPを使っている頃は、毎日入ってくる記録を眺め、自分の記録にコメントをくれる人にはコメントを残しに行ったり、結構な時間を使っていた。
さらに、前述のようにモヤッとすることがあったり、自慢のような書き方にちょっとイラッとしたり。

今はそういうことが一切ない。清々しい(笑)

知らない山の情報や、季節のタイムリーな情報が入ってくなくなるんじゃないか?という考え方もあるけど、必要なら自分で取りに行けば良い。そもそもそれがネットの利点。
そう考えると、ボクは無駄に人間関係を増やし、そのための作業をこなし、時にはイラッとしたりモヤッとしたりしていた、ということになる。
もちろん楽しく感じることがあったから続けていたわけだけど、楽しいというより、ドーパミンが出るという表現があっている気がする。
今さら当たり前のことを言うようだけど、いいねをもらったりコメントをもらったりした時ね。

ボクはこうやってSNSに動かされることを否定するわけじゃないんです。
否定するとかしないとかじゃなくて、これはもう仕方ない。
いちいち気にしなければ良いという人もいるけど、そもそもホモサピエンスが培ってきた本能の部分のプログラムが作動しちゃってるんだから仕方ない。
楽しさだけじゃなく、嫉妬や妬みなども発動させちゃうのがSNS。
そこに抵抗しようと思っても、それはSNSじゃなくて本能に抵抗しようということになる。
大事なのは、そのプログラムが作動しちゃってるなと感じたら、一旦冷静になって考えることなんじゃないかと思う。
そして必要ないと思ったら思い切ってやめるか、ボクがYAMAPでやっているようにフォローを外していくとか。

要は自分にちょうど良いフォローの数や、距離感があるはずなんですよね。道具として使える距離感ね。
そもそも、数百人の情報が常に入ってくるなんて異常事態だ。追えるわけがない。
このnoteでも相互フォローが多い人ほど見にこないよね(笑)

さらに続けたいところだけど、長くなったのでこの辺で。

写真は4月の鳥海山



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