【#毎週ショートショートnote】ツノがある東館
お題:ツノがある東館 & 一行目で惹きつける
文字数:410文字
「あなたは人生の岐路に立たされている」
分かれ道の看板にはそう書かれていた。
片方の道の先を見るとツノがある東館が見える。
もう片方の道の先には輪っかのある西館が見える。
どちらを選ぶべきか。
ここは素直に西館か?いや、罠かもしれない。
だからといって東館に行く奴がいるか?
私は元来自分に甘い性格で、それが元で失敗することも多い。
ここで東館の扉を開ければ人生が変わるのではないか?
私は高鳴る心臓の鼓動を感じながら東館のドアを開けた。
その夢を見た数日後に出会った女性と結婚した。
妻は気が強く、まさにツノのある女だった。
毎日のように怒られてはいたが彼女はいつも正しかった。
「自分に甘えてどうするの!ここが頑張り時よ!」
「思い切ってやりなさいよ。失敗したらしたで良いじゃない」
私は背中を押されて起業し、会社は順調に大きくなっている。
本当に妻のおかげだ。
しかし時々思うのだ。
あの時、西館のドアを開けていたら、どんな妻が待っていたのだろうと。
終
たらはかにさんの毎週ショートショートnoteに参加させていただきました。
1行目で惹きつける、ですか。
そうなると、ありがちではあるけど、普遍的なテーマだと読み進めるかなーということでこの出だしにしてみた。
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