【日記】表現力が欲しい
(1319文字)
ボクが住んでいる宮城県塩竈市では、昨夜から雨が降り続いている。
風もなく垂直に落ちてくる雨粒が、裏の竹藪で細かくリズムを刻む。
時々、竹の葉に溜まった雨粒が落ちると、下の葉がそれを受けてぴょこんと跳ね上がる。楽しそうに遊んでいるようだ。
なんて書き始めてみたけど伝わりますかね?
雨はそれほど強くないけど、しっかりとした雨粒がある大きさで、それが絶え間なく降っています。まさに梅雨らしい雨ですね。
そして、それを見ているボクの心情は穏やか。
情景描写というのは難しい。
ボクは小説を書くときに、まずどういう場所にいるのか、季節はいつなのかなどを伝えたいと思っている。
その物語の世界にまず入ってもらった方が、その後の説明が減るような気がするんですよね。迷子にならないというか。
でも、ボクが見えている風景をつぶさに伝えようと思うと長くなるし、説明になってしまう。それは避けたい。
日本語には雨を表す言葉がたくさんあるから、それを使えば良いかといえば、誰もがすぐに理解できるかわからないし、その短い単語で雰囲気が伝わるかどうかもわからない。
なんて偉そうに書けるほど小説を書いているわけじゃないんですが。
プロの作家さんはどう考えて書いているんだろう。
そうやって自分で書いてみると、今さらですが川端康成の雪国の書き出してすごいなーと思う。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
これね。これで全部伝わる。内容はメロドラマなんだけど。
一昨日からかな、noteの街の流しを始めました。
noteに録音機能があることに気がついて、試しにギターの演奏を録音してみたんですよね。
もう10年以上バンドをやってないし、リハビリみたいな感じだけど、喜んでくれる人もいるので続けようと思ってます。
Youtubeではギターといえば弾き語りか、ソロでベース音からメロディまで弾くテクニカルな演奏をアップしている人が多いけど、ボクはやっぱり伴奏が好きなんですよね。
思いついた曲を検索すると、大概のヒット曲はネット上にコード進行がアップされている。
流しなんで、なるべく知られている曲をと検索しているんだけど、久々にこの曲の歌詞を読んでグッときましたね。
この歌い出しですよ。
「あんなに激しい潮騒が あなたの背後(うしろ)で黙りこむ」
もう、情景が浮かびますよね。たったこれだけの文章で心情も理解できる。
やっぱりすごいなぁ松本隆、なんて思ったわけです。
薬師丸ひろ子の「探偵物語」ですね。
こういう文章を書いてみたい。
久しぶりに映画も観たいな。
というわけで、「探偵物語」もレパートリーに加えよう。
薬師丸ひろ子の曲だと「Woman Wの悲劇」も名曲なんですよね。
あのコード進行は本当に良くできているんですよね。松任谷由美ね。
あ、情景描写の話だった。
書き出しといえば、先日読了した笹目いく子先生の「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」の書き出しも好きですね。
「灰が音もなく、雪のように降りしきっていた」
これだけでボクは江戸の町に大火があったんだなとわかったし、騒動の始まりを予感させる不穏な空気感が醸し出されている。
そりゃ、読み進めちゃうよね。
皆さんは、好きな小説の書き出しや歌詞の一文ってありますか?