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【エッセイ】興味ワクワク愛情表現

(2467文字)

テレビをつけると、左上に番組名が少しの間、表示される。
え?もうパラリンピックが始まったの?
と思ったら「パリオリンピック」だったと、毎日思ってしまうという学習能力のなさを痛感する今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

連日、オリンピックが盛り上がっていますね。
もうだいぶプログラムは消化されたのかな。祭りが終わりに近づいている寂しさがあります。

TBSラジオ「ナイツのちゃきちゃき大放送」を聴いていたら、実況の名セリフ(?)に賛否両論が集まっているという話題。
「金メダルに恋した14歳」
フジテレビの倉田大誠アナウンサーですね。
番組では良いとか悪いではなく、これは用意していたに違いないと笑っていた。
確かに用意していましたよね。
ボクはそれに強い自己主張を感じて、なんだか痛々しく感じる。
それは置いておいて、ナイツの塙さんが、アシスタントの出水麻衣アナウンサーにこう振った。
「出水さんは?金メダルに恋した?」
すると出水アナはちょっとだけ戸惑いながら答えた。
「40歳」
イイね、この人。
ボクはこの番組をいつもラジコで聴いているけど、出水アナに和ませてもらうために聴いているような気がする。
なにしろ、この方、ベテランアナウンサーであるにも関わらず、噛まない日がない。一度や二度なら良い方で、とにかく噛んだり間違えたりする。
それがまた良いのよ。
完璧な人より、ミスをするくらいの人の方が親しみが持てる。
そしてよく笑う。大声で口を大きく開けて笑う。ラジオだから見えないけど、絶対にそう笑っている。
さらにもうひとつ。
メインパーソナリティのナイツの話や、その日のゲストの話を興味深そうに聞いているのが分かる。
ラジオなんですけどね、分かるんですよ。相槌の声とか、質問する様子とかから。きっと、前のめりになって、大きな目をくりくりさせながら聞いているに違いない。

前にも似たようなことを書いた気がするけど、興味を持ってその人の話を聞くというのは、愛情表現のひとつだと思う。
愛情表現といっても、恋人や家族にだけじゃなくてね、友人や初めて会う人まで、とにかくその人たちを受け容れる態勢ですかね。
よくミスをする人がこういう態勢で迎えるわけだから、ゲストはもちろん、ナイツも話しやすいと思う。緊張というか、警戒しなくて良い。

もちろん、恋人同士や夫婦間でも相手に興味を持つということは重要だと思う。
おそらく、あなたが思っているよりずっと重要度は高い。
妻や夫の話を上の空で聞いたり、適当に相槌を打っている人はいませんか?
逆にそういう態度をとられたらどうでしょう?
相手は自分に興味がないんだなと思いますよね。それはつまり愛されている実感が持てないということ。
愛されている実感が持てないまま、愛し続けるというのは難しいこと。
結果的に、相手の愛情も失うことになるとボクは思う。

そうは言っても、突然、話されても分からないよ、という人もいると思う。
当然です。それは映画を残り30分から観ようとしているわけだから。
主人公のバックボーンや置かれた環境、そこまでの経緯も分からず、いきなりクライマックスシーンを見せられても、なんだか分かるはずもない。
突然、話をされても分からないというのは、つまり普段から相手に興味がないからですよね。
どんな仕事をしていて、どんな同僚がいて、どんな友達がいて、どんなことに喜ぶか。
そういうことを普段から知ろうとしていなければ、突然クライマックスと思うのも当然です。

興味が持てないんだから仕方ないじゃないか。逆にどうやったら興味が持てるのかと思う人もいるかもしれない。
分かりません。
ボクは好奇心が強い方だけど、どうしてそうなったのか分からない。
ただ、現代の学校教育や親の教育で好奇心を削がれて育った人は少なくないかもしれない。
子育てに関しては、興味を持たせる教育というのはないと思う。親にできるのは、いろいろなものを見せて体験させるだけ。
あとは邪魔しない。
興味を持ったことに対して、勉強しなくなるからと取り上げたりしないこと。
それくらいじゃないですかね。

ボクは以前、山の女友達にちょっと真面目な話をしていたら「その話、興味ない」と言われたことがある。
それはその話だけじゃないんですよね、ボクにも興味がない。
ボクは友達だと思っていたけど、相手はボクを友達ではなく、山に行くための道具だと思っていることが理解できた。
案の定、他にもっと良い道具が見つかればそっちを使うわけで、今は全くつきあいはない。

でもこれね、夫婦間でもそういう認識になっている人がいるんじゃないかと思う。
仮に妻が専業主婦の家庭だったとして、夫は給料を持ってくる道具で、妻は家事をする道具。
そうした毒舌が笑いになるのは、実際、心の底ではそうは思っていないからであって、本当にそう思っていたら夫婦間がうまく行くわけもない。

夫婦間がうまくいっていないけど、なんとかしたいという人がいたら、ボクはまず相手に興味を持つこととアドバイスしたい。
自然に興味が持てない、好奇心が弱いのであれば、相手のプロフィールを作ってみたらどうだろう?
現在の仕事、その内容、好きな食べ物、苦手な食べ物から、子供の頃の思い出、学生の頃の部活動、その他の活動、今まで一番嬉しかったこと、頭に来たことなど、とにかく思いつくままにリストを作ってインタビューする気持ちで聞いてみる。
付き合っているときや、結婚当初の相手に興味が強かった時期にした話かもしれないけど、改めて聞いてみる。
相手は面倒臭がるかもしれないけど、それでも様子を見ながら聞いていたら慣れてきて、興味を持ってもらえると感じれば嬉しいんじゃないかな。

なんて、柄にもなくアドバイスなんてしちゃったけど、それじゃオマエんところはどうなんだよという声が聞こえてきそう。
はい、ボクもリストを作ろうと思います(笑)

そうえば「幸せになる方法」的な本を出している人って幸せなのかな?
「○○になる方法」という文字にどうも胡散臭さを感じてしまうのは、ボクがひねくれ者だからでしょうか?

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