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【お笑い】M-1グランプリ2024とお笑いの分岐点
(1855文字)
年末恒例のM-1グランプリが終わりましたね。
ボクの予想は外れて令和ロマンの二連覇。強かった。面白かったというより強かったという印象。
あ、あれこれ書く前に、ボクのお笑いの「好み」について書いておいた方が良いと思う。好みによって捉え方が変わるからね。
ボクが子供の頃は、春日三球・照代の地下鉄漫才が流行ってました。好きでしたねー。レコード持ってます(笑)
それが原体験だからなのか、関西でいうところの「しゃべくり漫才」が好きですね。コントじゃないやつ。まぁ、どちらかと言えばという感じですが。
落語も好きで、最近はご無沙汰だけど寄席に行ったりもする。
そんなお笑い好きです。
さて、今回のM-1の感想は、競技漫才というジャンルが確立したなという感じ。
笑いがどれくらい入ったか、間の取り方、大笑いが起こったか、構成はまとまっているかとか。
三回転のコンビネーションが入ったか、技の繋ぎはどうか、スケーティングはどうかという審査のフィギュアスケートっぽい感じ。
まぁ、競技だからそうなるよね。
その競技にダントツで対応したのが令和ロマン。
決勝戦でしゃべくり、最終決戦でコントという二段構えも見事。なんでもできますという感じ。まさに競技漫才の申し子ですね。
彼らはキングオブコントも獲れるんじゃないかな。それと高比良くるまがR-1も獲って三冠も夢じゃない。
他には密かに応援していたバッテリィズが最終決戦に行けたのが嬉しかったですね。決勝戦は今までボクが映像で見た中で一番面白かった。
ボケのエースのキャラは放っておかれないと思うから、これから人気者になるでしょうね。
エバースは惜しかったなぁ。面白かったけど、昨年の敗者復活戦のネタの方が面白かったもんなぁ。誰だったか、審査員が「もっとできる」というようなことを言っていたけど、まさにその通り。よく言えば伸び代があるというか。
それでもネタの良さと町田のキャラは伝わっていた。
来年も練り直して決勝に出てきて欲しいね。十分通用することはわかったし、優勝も夢じゃない。
今年は家で敗者復活戦から生中継で見ていたんだけど、見終わった感想としては「疲れた」です。悪い意味じゃないけどね。
やっぱり「競技」を見た感じなんですよね。
だから、審査員の中に海原ともこがいたことが救いだった。
そうなのよ、彼女が言う通り、最近の漫才は小難しくなっている。
「アタシ、そういうのはわかんないんだけどさ」
とあの場で言ってくれる、言えるのは彼女だけでしたね。
さすが寄席の第一線でやってきたベテラン。
彼女たちのネタには台本がなくて、ただ面白いこと、面白かったこと、言いたいことを言っているだけだと聞いたことがある。
でもそれこそが漫才なんだよな。
見てる方も気楽に笑える。寄席は普段の疲れを吹き飛ばしに行く場所だから。
そういえば、二週間くらい前に、これも毎年恒例のTHE MANZAIが放送された。
歴代のM-1チャンピオンをはじめとしたベテランたちの漫才。
こちらはリラックスして気楽に見られましたね。
やっている方も「緊張した」とか言いながら楽しんでいるのがわかる。
同じ漫才でも明らかに違うジャンルでしたね。
ちなみに、寄席だとだいたい持ち時間は15分。
客層に合わせて喋り方もゆっくりになる。ナイツなんて全くテンポが違う。
そして複数のネタをさりげなく繋げたりして、お客さんの反応を見ながらやっている。
もし令和ロマンが浅草とか、若い人向けじゃない寄席で15分の時間をもらったらどういう漫才になるのかなと思った。どうも想像できない。
もちろんM-1を否定するわけではなく、面白いなぁと思うんですよね、この「競技化」による変化が。変化というか、漫才と競技漫才に分岐したという感じか。
コントもキングオブコントの影響で、より緻密になってきて、もはや演劇に近いし、劇団をつくる芸人さんもいる。ただバカバカしいよりどこか知性を求められる。
そしてピン芸人のR-1はカオス(笑)
まぁ、そんなことをつらつら考えながら見てました。
そういえば、敗者復活戦。ボクが選ぶならオズワルドだったなぁ。でも完成しすぎてるのかなぁ。それにもうみんな知っているから新鮮さもないというのもあると思う。
フレッシュなところだと家族チャーハン。まだ一年目か二年目のはずだけど、そう考えるとすごい。ネタもまだ荒いのに面白いしね。間の取り方とか、まだまだこれからだもんな。
まぁ、そんなこんなで、久しぶりにのんびり浅草演芸ホールに行こうかな、なんて思った今年のM-1でした。