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【日記】安く買う代わりに失うもの

救急車で運ばれて、尿管結石の刑を言い渡されてから禁酒をしていたんだけど、昨日テレビで風吹ジュンが「湯豆腐が好き」と言っていたのを聞いて湯豆腐が食べたくなり、そうなると一杯飲みたくなってしまい、どうしようかと思ったら強い味方のホッピーが一本残っていた。
好きなんですよねーホッピー、黒ホッピー。しかもプリン体0。ありがたいねー。


眺めの良い山でした

今日は仕事を半分休みにして里山歩き。
ピストンしても2時間半の低山だけど、頂上は岩場で眺めも良い。しかも青空。なかなか楽しめた。
帰りに行きつけの登山用品店に寄って、壊れたザックのバックルを交換してもらった。
「そういえばさっきまで○○さんが来てたよ」
店長は交換作業をしながら、そう知り合いの名前をあげた。
その人は、とある用品を買いに来たという。
まずネットショップで値段を確認すると、確かに安いんだけど、壊れた場合のアフターフォローが心配だと言う。なので、この店で同じ値段で売ってくれないかとの相談だったそうだ。
それを聞いてボクはちょっと驚いた。随分失礼な話だと。まぁ、そもそも自分本意な人なので不思議はないんだけど。
ボクは自営業をしているので、これがどういうことなのか敏感に感じてしまう。
その店の店長は、
「まぁ、そうはっきり言ってもらったほうがこっちも対応しやすいんだけどね」
とフォローしていたけどね。
確かに、買う方からすれば、赤字にならなければ売り上げになるんだから良いんじゃない?という考え方もあるだろう。その店の店長も、売り上げになるから、安く売っても良いんだけどね、とは言っていた。

まず、ネットショップで買うと安い理由はある。マーケットが大きいので薄利多売ができること、店舗にかかる固定費が少なくて済むこと、店員が少なくて済むので人件費が抑えられること、などだ。
その代わり、その知人が心配していたようにアフターフォローに心配が残る。なにしろ「売る」だけで、専門的な知識を持つ店員すらいない場合もあるからだ。
この登山用品店のような専門店の場合、その心配はないし、何かあれば持ってきてすぐに相談することもできる。
その知人は、その両方の良いとこどりをしようとしたわけだ。

ボクも自営業で商売をしているので、自分の理屈で得をしようという人に会うこともある。だけどその場合、ボクは取引をしないことが多い。そういうお客さんとは良い関係が築けないからだ。
一時の売り上げのために、何か自分の大事なことも値引きしなければならなくなる。それは耐えられない。それがわからずに値引きさせようという人はやっぱり信用できない。

その知人の話に戻ると、いくらの値引きになるのか聞いてはいない。
しかし、5万円くらいの商品だとして、1万円の値引きになったとする。
だとすれば、こういう図式が成り立つ。

10,000円=安く買うために動いた時間+交通費+信用

ボクは明らかに1万円の方が安いと思うんですよ。
その店の店長は、プライドを持って、お客さんが山で事故に遭わないようにアドバイスをしながら商売をしてきた。
その知人は、その価値が分かっていない。だからネットと同じ値段にして、などと言えてしまうのだ。
つまり、その店の価値が分かっていないということ。
さらに言えば、その店を、店長を人として認識しているのではなく、物を買う場所、道具として認識しているということ。

結局店長は、アフターフォローが心配なら、こんな小さな店で買うより、大きな量販店で買った方が良いとアドバイスしたそう。大きな店の方が、メーカーに対して力があるからね。
店長は怒っている様子は全くなかったけど、やっぱりどこか道理が違うなーと感じていたのだと思う。

しかし、昨今は残念ながら、こうした道理や、専門的な知識や経験に対する価値を感じられない人が多い。しかしいざ困ると頼ったりして。
便利で安い、それは確かに助かる。しかし、その裏で何を捨てたのか。
実はこれからの時代、今の人たちが捨ててきた「それ」が求められていく時代になるんじゃないかな。

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