【日記】新幹線人間模様
(1748文字)
一昨日は実家の埼玉から終電近くの新幹線「はやぶさ」で帰ってきた。
乗っていたのは1時間強だけど、実家から大宮駅までに時間がかかるので、20時に出て塩釜の自宅に帰ったのが0時近く。あと1時間プラスすれば車での時間と変わらないけど、運転しないので疲れ方が違う。
運転して帰ってくると、体も神経も疲れていて、次の日の仕事が捗らないけど、新幹線ならあまり疲れは残らない。
改めて運転は疲れるということが分かる。
ただね、新幹線にも欠点があるんですよ。それは何かと言えばコレです。
「真ん中の肘掛けはどっちのもの問題」
ボクが大宮で乗った時、隣の席に座っていたのは同年代の男性。
スーツの上下にベストまで着たかっちりとした格好。
隣の席のボクが来たのを確認すると、ボクの席の上に置いた鞄を無言でどかした。
これもなんかちょっとだけ嫌だ。
ボクが窓際の席に入り込むと、すぐに革靴を脱いで靴下になり足を組んだ。
その足が二つの座席の真ん中を越えてボクの方に少し入っている。
なんかもわっと湯気がたっていそうな感じがする。
両手でスマホを目の前に掲げ、イヤホンをしてなにやら動画を見ている。
両腕の肘は両方の肘掛に乗っている。
つまり、真ん中の肘掛も当然ながら男が乗せている。
ボクは窓の方に体を寄せながら本を読み出した。5ページも読むと眠くなり、本を閉じて窓枠に置き、目を閉じた。
ウトウトしていると、隣の男が体勢を変えた時にボクの腕に肘がコツンと当たり目を覚ました。
再び本を読み出すも、やはり眠くなって・・・。
これが1時間で3セット。
ボクは知らない人にでも「嫌な奴」と思われたくないので、こういう時には極力気を遣う。しかし隣の男はそうではないのだろう。
かといって、大きなマナー違反をしているわけでもない。文句を言うわけにもいかない。
こういうことが嫌ならグリーン車に乗れば良いんだけど、この時間の新幹線で窓際が空いていたのでガラガラだと思っていた。しかし乗車率は見たところ90%くらい。
現代人は忙しいんだな。
窓際というのは、こういう時に逃げ場がない。
しかもこの時間だと風景が見えない。窓際の意味はない。
今回は二列の方の窓際を取ったけど、こういう時は座席表を確認して、三列の方で真ん中が空いている通路側を取れば良いのだと学習した。
乗車前に切符を買うなら真ん中が空いたままになる可能性が高い。
今回はまだ良い方で、以前ひとりで新幹線に乗った時にはこんなことがあった。
あれは「こまち」だったので、両側二列の座席配置。
ボクは進行方向右側の通路側に座っていた。
その後、窓際に60代くらいの女性が座った。そしてその友達らしき女性が通路を挟んで隣に座った。つまり、ボクを挟んでいる状態。
嫌な予感がしたが、新幹線が走り出すと案の定二人がボクを挟んで会話をし始めた。
お寺の紫陽花が綺麗だったわね、あそこのご飯が美味しかった、などなど。
さすがにこれでは落ち着かないので、隣の窓際の女性に席を変わりましょうかと提案した。しかし意外な答え。
「いえ、大丈夫です」
いやいや、ボクが大丈夫じゃないのよ。
通路を挟んだ隣の女性に向かって同じことを言おうと思ったら、そちらも「大丈夫ですから」と機先を制す。
どういうこと?
窓際の女性は景色が見たいなら仕方ないけど、通路側の女性は移動しない理由がある?
それじゃボクがどこかに移動しようかと思った。仙台までノンストップなわけだし。
しかしパッと見たところどこも空いていない。だから彼女たちはこういう座席の抑え方をしたんだろうけど。
その後、彼女たちは5分くらい話していて、ボクがもう一度同じことを提案しようとしたところで会話をやめた。
窓際の女性は外を眺め、通路側の女性はシートを倒して寝始めた。
なんだか妙にモヤっとした出来事で覚えている。
そういえば、誰だったか芸人さんが新幹線に乗った時の話をしていた。
座席を倒すのに後ろの人に気を遣って「少し倒しても良いですか?」と声をかけたら、その人は申し訳なさそうな顔をしながら手でバッテンを出したという。
え?そんなことある?
確認したおかげで、大阪まで直角のシートのままで疲れたと言っていた。
時々、こうやって公共交通機関を使うと、改めて世の中はいろんな人がいて、常識なんてないよなと思う。