【グルメ016】光栄軒 (三河島)
僕は一人のジロリアンであり、フードファイターではない。しかし、ネットで大盛の記事を読むと、なぜか血が騒ぐ。今年50歳になり、言い換えれば、初老となり、大食いなんかやっている場合ではないのだが、でも血が騒ぐ。あと20歳若ければ、今から大食いを頑張ることもできるだろうが、そんな年ではない。でも、血が騒ぐ。
ということで、大盛で東京でも有名なこちらへ。
食べたのは、裏メニュー カレーチャーハン 550円+税=600円。
混んでいたためか、結構時間がかかってのサーヴ。でも、老齢の店主が黙々と作られていて、いくら時間がかかろうとまず敬意を表したい。
で、サーヴされたチャーハンを見た瞬間に戦意をそがれる。これ普通じゃないでしょ。大盛でしょ。という疑念を払しょくしきれない 笑。普段、ご飯で茶碗5杯くらいなら余裕なのだが、どうだろうかと考えながらスプーンを入刀。
「光栄軒」のチャーハンは薄味なのだが、カレーパウダーが入ることで風味が増す。で、チャーシューごろごろなので、やはり美味しいチャーハン。ただ、油分がとても少なくかなり乾いたチャーハン。なので、食べるたびに口内の水分を持っていかれる。そこで、ワカメスープを大切に少しずつ飲みながら口内を潤し、そして黙々と食べる。
8合目までは余裕。だけど、残り2合目で若干心が折れそうになる。そういう時は、辛かったことを考える。京都大学受験時の受験勉強。外資系コンサルティング会社時代のプロジェクト。最後、指一本の執念が勝負を分ける。なんでもそうだが、最後勝負を分けるのは、技術ではない。信念。執念。心を静かにして、スプーンを運ぶ。その繰り返しで、最後いける確信を持てる瞬間が来る。
食べ終えた。余韻に浸る。将棋の感想戦よろしく、戦いを振り返る。結局、自分を信じ切れるかどうかである。チャーハンを食べただけなのに、少しだけ目頭が熱くなる。まだやれる。現役。最前線。引退しない。僕は強い。
店内は、カウンターと小上がり。今回、小上がりでの勝負。なんか盛られてる感があったのだが、次回は大盛で勝負したい。会計を済ませ、清々しい気分で、お店を後にした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?