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一知半解なる外来語の定着。バッテラについて。
2025023 一知半解なるたくさんの外来語の一つ、例えば「バッテラ」。
大阪発祥のバッテラは私も好きな食べ物です。バッテラに使われる魚は、現代では、殆ど鯖だと思いますが、当初はコノシロ(鮗)であった、との事です。コノシロはコハダ(小鰭)の成長魚であり、ニシン目ニシン科コノシロ属、一方、鯖はスズキ目サバ科サバ属。詰まり、別種と言って 差し支えないでしょう。コノシロのお腹を割き、ご飯の上に乗せた際の姿・形に対し、お客がポルトガル語で小舟を意味する「バッテイラ(bateira)」と呼んだのが由来、との事ですが、そんなグローバルで超時代的な常識感覚を持つお客さんってどんな人、と思ってしまいます。ある時代から鯖が使われる様になった、との事ですが、これも一致半壊。鯖の方が安価であり、品切れし難いが、コノシロには、季節性があって貴重であり、値段も高かったのかも知れません。しかし、何故、扱う魚を変えたのか、決定な事は分かりません。また、鯖をご飯に載せた際、コノシロと同じ様な小舟の形になるのか、これも一致半壊。
安土桃山時代にポルトガルとの交流から、ポルトガル語起源の外来語が日本語に入った、と言う事です。「バッテイラ(bateira)」もその流れかと思います。所で、バッテラの発祥は、 明治時代の大阪である、との事です。 安土桃山時代に外来語として入ったポルトガル語が、明治時代まで使われていたのか、しかも意味も変わらずに、と言う事についての確証はないのではないでしょうか? これも一知半解です。
言葉の意味内容が時代とともに変わる事は不思議ではありません。 外来語も日本語に入ればその意味内容が変化するものもあると思います。 この辺、単語の共時的なバリエーションと、通時的な意味変化は、一体どんなマトリックスになっているのでしょう。AIが解き解してくれるのでしょうか? 大規模言語モデルの今後の変化形も、一知半解ではあります。