インド選挙戦最中の燃料統計発表と私のコメント。
20240508 ロイター インドの4月軽油販売急増、燃料消費全体は緩和。
ロイター発 - インド4月の全燃料消費量は前月の記録的な高水準からは減少との公式数値の発表がありました。
軽油の販売量は新たなピークを記録、世界第3位の石油消費国での堅調な産業活動を示唆している様です。
ガソリン・軽油はインドの精製燃料消費の約5分の2を占め、産業活動に直結しています。
4月、インドの工場生産は、過去4ヵ月で最も速いペースで拡大しました。
主にトラックで使用される軽油(ディーゼル)の販売量は、4月に、約8.6%増の782万トンとなり、(政府の)石油計画分析室(PPAC;Petroleum Planning and Analysis Cell )の1998年以来のデータでは過去最高となりました。
一方、石油需要の代表的指標となる全体としての燃料消費量は、4月には、前年同月比0.3%減の1,841万トンとなり、堅調な経済活動を背景に過去最高を記録した3月からは10%以上後退しました。
石油需要はかなり順調に引き続いており、インドの堅調な経済成長に支えられて上昇を続けるだろう、とUBS証券の(コモディティ)アナリスト、ジョバンニ・スタウノヴォ(Giovanni Staunovo)氏述べました。ジェット燃料の販売量も前年同月比18.2%増の65万トンと急増しましたが、3月の過去最高からは減少しました。
一方、乗用車に使用されるガソリンは前月比7.4%減となりましたが、前年同月比では2.9%増となりました。
インドは今月初め、石油製品への(Windfall tax: 一過性の利益に対する特別利益税)課税率を引き下げ、ガソリン、ディーゼル、航空タービン燃料への課税をゼロに据え置きました。
調理用ガス、液化石油ガス(LPG)の販売量は前月比10.8%減の約220万トンでした。
私のコメント;国政選挙戦最中であり、微妙な所は分かりかねますが、今迄、
与党インド人民党(BJP)が認可して来た数々の産業育成のための投資は、世界的なコミットメントでもあり、この期間中に、政府が方針を変える様な動きはない、と仮定するのであれば、経済成長基盤は揺るがない、と思われます。但し、与党の有力支持層であるヒンドゥー至上主義の動きが強まっている、と感じているその他宗教団体や少数民族の苛立ちがある様でもあり、選挙結果にどの様な影響が出るかは、今の所分りません。もし、仮に野党コングレス側が選挙戦に勝ち、連立内閣を形成した場合、貧富格差の是正に力を入れるだろう、と言う意見もありました。