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「計画された偶発性理論/Planned Happenstance Theory」

未来構想セミナーなどで、私がよくご紹介させていただく考え方に「計画された偶発性理論/Planned Happenstance Theory」というのもがある。

キャリア形成において、重要な「計画的偶発性」について
「好奇心」、「持続性」、「楽観性」、「柔軟性」、「冒険心」が大切!

・従来のキャリア論の無効化
「自分のキャリアは自分自身であらかじめ計画し、意図的に職歴を積み上げて形成するもの」であり「自分の興味、適性、能力、周囲の環境などを合理的に分析すれば、目指すべき最終ゴールやそこへ至るステップアップの道筋までが明確になる」はず、と考えられてきた。
しかし、変化の激しい(VUCA)現在、計画したキャリアに固執することは非現実的であり、そうしたアプローチはすべきでない。

・自分が何をしたいかの意思決定にこだわり、一つの仕事や職業を選びとることは、とりもなおさず、それ以外の可能性を捨ててしまうことに繋がる。
むしろ優柔不断なくらいでよく、それはオープンマインドな状態であって、予期せぬ出来事を柔軟に受け止められる。

・「計画された偶発性理論/Planned Happenstance Theory(スタンフォード大学 ジョン・D・クランボルツ教授)」=「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的な事象、つまり予期しない出来事や偶然の出会いによって決定される」

・予期しない出来事をただ待つだけでなく、自ら創り出せるように積極的に行動したり、周囲の出来事に神経を研ぎ澄ませたりして、偶然を意図的・計画的に設計して、ステップアップの機会など、自らにとって良いものにしていこうというポジティブな理論。

「偶然を意図的・計画的にチャンスに変える」ために発揮すべき5つの行動指針
(1)「好奇心」たえず新しい学習の機会を模索し続けること
(2)「持続性」失敗に屈せず、努力し続けること
(3)「楽観性」新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4)「柔軟性」こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5)「冒険心」結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
*しかし「いきなり大きなリスクを取ってはいけない」
新しいチャレンジは小さく始め、手応えがあれば足場を固め大きく踏み出す。

・つまり、新しいことを怖がらず、失敗してもめげないで、直ぐに行動を起こすことを習慣づける。
偶然に遭遇した異質なものに関心を持って、取り組む。実は偶然ではないかもしれない。

・そうした姿勢で常にアンテナを高く立てていれば、有用な情報や人が向こうからやってくる。
ただし、漠然とでも「こういう仕事がしたい」「こういう感じになりたい」という自分の進みたい方向性を定めておくことで、アンテナの高さと感度が安定し、大事な種を見つけやすくなる。

・「出会い」と「出来事」を大切に。成功体験や失敗体験から如何に謙虚に学ぶことができるか。

参考:『その幸運は偶然ではないんです!』J・D・クランボルツほか(著) ダイヤモンド社 https://amzn.to/3h3UHLP

『働くひとのためのキャリア・デザイン』金井壽宏(著) PHP新書
https://amzn.to/3hgSKfp

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