呪いと医師 "魔女をまもる。上中下"[読書]
"魔女狩り"と医師のお話。精神医学の先駆者でもある実在した医師、ヨーハン・ヴァイヤーが主人公。そうか実在した医師のお話なのかーと読み終わってから知る。
医師の話というと鹿の王を思い出すけどあれもロジカルな人間でないと務まらない話だった。特に今回のようにメンタルが関わってきてかつロジカルにというのはすさまじいなと思う。
身近にメンタルヘルスに問題を抱えている人たちを見てきた身からすると、とてもロジカルに診断して判断出来るように思えなかった、というか身近だったのも良くなくて同じように感情的になりがち。
しかもそれを科学的・専門的な知識がまだ世の中になく呪いだ魔女だ神だ悪魔だが世に蔓延っている世でそのアプローチが出来るというのは凄まじい。
でも残念かな現代でもこのお話は終わっていない。というか、社会構造としてこういった問題を量産しSNSはそれを増幅している。
疫病についてすらコロナでまだまだ撲滅出来ないことが証明されてしまったけれど、一定の科学的なアプローチで対応することを是とする世の中にはなってきた。
ただメンタル面については構造的・仕組み的に負荷の改善や対応のルール化をするところまでいっていないのはこのお話の時期を考えると進歩がなくてとても残念な気がとてもする。このメンタル面の対応の停滞・放置・SNSによる悪増が反ワク反マスクとかの活動に繋がっていると思うと、もっと重要視すべきことのはずなんだなぁと改めて思ったり。
改めてこの時期にこういった話を読むとこんな感想をつらつら思ったので今必要な作品なきがとてもしたなぁ。読めてよかった。