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創作全般の覚え書き

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自分の、あるいは社会の創作の話題で反応してしまったことの覚え書き
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2024年10月の記事一覧

スケッチには完成した絵とは違う魅力がありますね

仕上げた絵よりも、その画家のスケッチ帳や、下描きなどに、その画家の飾らない、素直な描線が出ていて、しみじみ良いなあと思う事があります。 例えば、下は、東京国立博物館に出ていた狩野探幽の「草花写生図鑑 秋」です。 狩野派といえば、絢爛豪華でいかにも城の装飾に相応しい感じの画風ですが、探幽はその代表的な画家のひとりです。 そんな探幽のスケッチの描線は、繊細で洒脱で、草花を観察しつつキレイだな、カワイイな、と感じて描いている感じが素直に出ていて、とても良いのです。 (画像ク

民藝については、父・宗悦、息子・宗理の両方の書籍と実績を確認すると理解が深まる

民藝を把握するには、柳宗悦氏だけでなく、息子さんの工業デザイナー柳宗理氏の両者の業績の確認と、彼らが残した文章をしっかり読むと良いと思います 宗理氏の文章はとても上手く、かつ的を射ており(例えば「柳宗理 エッセイ」という本は必読です)父の宗悦が活躍していた時代からしばらくして問題化した事、民藝について宗悦自身は語りきれていない事、幼少期から知っている民藝運動界隈の主要作家の事などを息子が父とは違う視座から補完している感じです それと民藝論は、宗悦の初期の提言を経典としては

私は創作物を暴力装置にしてはならないと考えます

私は 「分野を問わず人々にトラウマを与える事で鑑賞者が作品に揺さぶられたと勘違いさせる意図を持つ作品」 を嫌います。 それは創作者がやってはいけない事だと考えます。 「作品の素晴らしさに精神が揺さぶられる」 のと、 「その作品に実際には必要の無い人の精神を傷つけるタイプの、直接的なエロ、グロ、暴力、死、個人の精神の歪み…などを作品を介して突きつけられた際に精神が揺さぶられる」 のは、 内容は全く違うにも関わらず、精神の反応だけ観れば似ています。 ようするに創