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創作全般の覚え書き

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自分の、あるいは社会の創作の話題で反応してしまったことの覚え書き
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2022年9月の記事一覧

工芸品と芸術品の性質の違い

私は普段、このnoteに書いている通り、全ての人為と人造物は等価なので、例えば工芸品と芸術品の「上下は無い」としております。 工芸品の創作的に進化した最終形態が芸術品みたいに言われますが、そういう事実は無いという立場です。 「この蒔絵は工芸品を超越して最早芸術品である」 みたいな言い方ですね。そんな事あるかーい!笑 工芸品と芸術作品は、人造物の分野の違いに過ぎません。 しかし、それぞれ性質が違うところがいくつかあると思っております。 例えば、工芸品と芸術品とでは、

表現の自由とは言うけども「人としてどうよ?」というレベルになると、つまらないものになりますよね

いくら芸術表現は自由だと言っても「人としてどうよ?」というレベルに行ってしまうと、面白くなくなるのではないでしょうか? 以前も書きましたが、映画で、殺人のシーンの上手い描写のものはリアリティを持って人の心に暴力の怖さを響かせますが、本当のスナッフムービーになると、それはもう創作ではないのです。それはただの殺人の様子を収めた映像で「身も蓋もないおぞましい事実」だけになってしまうのです。 それと同じような「作品」なるものが表現の自由として展示され、それを称賛する人たちがいるわ

基本的な型を身に着けているから崩しても良いものになるのではなく、崩しが上手い人は元々の資質と才能で崩しが上手いのです

これは、絵や書だけではなく、何事においても言える事です。 「基本が出来ているから崩せるのだ、ピカソは基本的なデッサンがあれだけ上手いから、ああいう崩した絵が描けるのだ」 と、主張する人がおります。しかしそれは、一見良い事を言っているようで、本質的には外れています。 事実は 「崩した絵や字が上手い人は、元からそういう資質と才能を持っているから、それが上手いのだ」 そして 「その人の表現上、必然から崩したものが必要だった」 です。 多くの人が言う「基本が出来ている

当工房の、作品制作の進行方法、並びに展示会の際の仕事の進め方

今回は、当工房「Foglia フォリア」では、日常の作品制作並びに個展や展示会用の作品を制作する際に、どのように仕事を進めて行くかを説明してみます。 (フォリアは和装染色品と絵画の制作・販売を行っております) なるべく具体的に書こう・・・と書き連ねていたら、長くなってしまいました・・・ それはともかく、 個展等で、まとめて作品制作する際には「日常制作しているものを溜めておいて出品する」のではなく、コンセプトを決めたり、時流を測った上で、テーマを決め、制作する事が多いで