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大阪〜京都を歩いた話

約3年前のお話です。

当時私は高校1年生。同じ学年の女の子を眺めては淫らなことばかり妄想するという典型的な思春期真っ只中の男子でした。思春期の男子は自分の体型が気になるもの。太っていた私は、少しでも痩せるため、なんとかして運動量を確保せねばと思っていました。縄跳び、ジョギング、サイクリング、、、、自分にはどれもダメでした。すぐに疲れが溜まって長時間できなかったのです。そんなとき、

「ウォーキングなら長時間疲れずに運動し続けられるのでは?」

我ながら良い案を思いつきました。さて、どこを歩こうか。Googleマップを眺めながら決めました。

大阪駅から京都駅。Googleマップさんが言うには、所要時間10時間。いける、ここにしよう。

というわけで、大阪京都徒歩旅が決定しました。熱中症対策で気温が下がる季節を待ち、大掃除を終え、気づいた時にはもうすでに大晦日。この日が決行の日となりました。

12月31日午前6時、大阪駅を出発します。

早朝の大阪駅は人もまばら。

京都駅に到着するまでにすることはただ一つ。ひたすら自分を信じて足を前に出し続けることです。何があっても、たとえ辛くても。少しでも早く京都駅に着くため、淀川の土手を歩くことにします。信号がなく、待ち時間が短いので、その分進むことができます。車で言うと、高速道路みたいなものです。しかし、この土手を進むルートには重大な欠点がありました。景色がほぼ一緒なのです。約3時間同じ景色を眺めることになってとても辛かったです。

淀川。朝焼けが美しい。

途中吉野家で昼食をとり、再び歩きます。この辺りから足が疲れてきますが、歩くしかないのです。ただひたすら、京都駅に向かって。

疲れながらも歩いていると、標識が、、、、
ついに府境に到着です。一歩一歩は短いけれど、確かに京都駅に近づいています。とっくに感情は無くなっていましたが、一気に嬉しさが込み上げてきました。砂漠の中のオアシスとはまさにこのことです。

府境。13時頃到着。

しかし、嬉しかったのも束の間。足は既に疲労困憊。「足が棒になる」という言葉の通り、本当に足を曲げると痛いので、真っ直ぐにして歩くしかないのです。なので、ここからガクッとペースダウン。

府境を超えてから3時間半後、京都の鴨川に到着。うっすらとオレンジ色に染まっているのは、夕焼けです。冬で日照時間が短いとはいえ、日の出から日の入りまで歩いたのは初めてです。

鴨川。辛すぎて、この辺りを歩いた記憶は曖昧。

ここまで来れば、京都駅はすぐそこ。最後の力を振り絞って、烏丸通を北上します。

17時45分、ついに京都駅に着きました。このとき、今までの疲労を打ち消すくらいの達成感がありました。

京都駅八条口。既に日も落ちている。

結果、大阪駅から京都駅まで歩くと、11時間45分かかりました。電車を使うことでは味わえない体験ができたので、個人的には満足です。大阪〜京都はだいたい43kmくらいです。フルマラソンの選手はこの距離を2時間で走破すると考えると、彼らがいかに速いかが分かりますね。ちなみに、左右のかかとそれぞれに、大きな水ぶくれができました。めっちゃ痛かった。

スマホの歩数計アプリ。初の7万歩達成。

後日談  
この徒歩旅の決行日は大晦日。次の日はもちろん元日です。私は家の近くの神社に初詣に行きました。足の痛みはまだ残っています。お察しの通り、石段を上がるたびに激痛が私を襲います。手すりを握りしめて、痛みに耐えながらゆっくりと石段を登る姿はさぞかし滑稽だったことでしょう。

後日談 その2
決行日の数日後、新幹線に乗る機会がありました。なんと東海道新幹線、新大阪〜京都をたったの14分で走破してしまいました。

あれっ?俺の11時間45分は…?

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