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なにもしない日々
今年の四月から、さあやるぞ!と思って準備まで整えていたことがあるのだけれど、思いがけないことで、それがすこーんと抜けてしまった。
とても面白そうなことで、不安も期待も同じくらいあったことだけに、残念な気持ちはある。
けれどこうなったらこうなったで、まあ仕方ないかあという思いもあって、現状を受け入れ始めている自分もいるのだから、全てにおいて切り替え下手という訳でもないらしい。
むしろ、私は小さな課題の前ではくよくよと悩むくせに、比較的大きなものを失った時は、意外とあっけらかんとしている質なのかもしれない。
うつ病です、休職です、と言われた時も「ああ、これで休める」とほっとしたし、誕生日に「よし、会社辞めよう」と思い立った翌日には上司を呼んで宣言してしまったので、夫は度肝を抜かれていた。
自分ではどうにもならないことに身を任せる日々だ。
迷惑を掛けるとか掛けないとか、お金が減るとか減らないとか、そういうことが全部、小さく見えてしまう。
かといって申し訳ないという気持ちがない訳ではないし、ちゃんと感謝もしている。
しかし目の前にあるものが自分の視界に入りきらないほど大きくて全体像がつかみきれないのを良いことに、自分にのんべんだらりと過ごすことを許している。
それほどの大義名分を得てしまったことへの驚きと安堵と共に日々を過ごしている。
人は、何も成し遂げなかったとしても生きてゆける。
そりゃあ、例えば仕事なら、やるべきことを他人に押し付けて、自分は何もせずゆったりと過ごして、口だけ出してお金をもらう、なんていうやり方のズルさは許せないし、私だってその被害者の側に回ったことは何度もあるのだけれど、仕事とはちょっと別次元の話しとして。
ただ無事に一日を過ごせたことに、これまで以上に満足してしまえる時間を得たということ。
これはこれで貴重な体験なのかもしれない。
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