ポータブルミュージックプレイヤー(ウォークマン)を久しぶりに聴く
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これは16年前(2008年)にビックカメラ新宿東口店で購入した、SONYのポータブルミュージックプレイヤー(いわゆるウォークマン)だ。
(プライベートで訪れていた谷川俊太郎さんに握手していただいたのも新宿のビックカメラだった。)
機械ものはあたたかみのある色が良いから、という理由で選んだピンク。
使うにはパソコンが必要となる。CD-ROMから専用ソフトをインストールし、持ち歩きたい音楽のCDを取り込み、接続したプレイヤーにソフト経由で流し込むという仕組み。
途中からは「手元にアーティストのCDはないけれど、Youtubeの公式チャンネルにならある」という曲を、専用ケーブルを使ってプレイヤーに直接録音し、パソコンに取り込みなおし、ジャケット写真や楽曲情報を編集してからプレイヤーに戻す、というちょっと面倒くさい作業もやっていた。
大学生の頃、長距離通学や勉強、そして寝る前のお供に使っていた大切なパートナー。
最後に使ったのはいつだろう。覚えていない。
「携帯電話で音楽を聴くのには抵抗感がある」、「電話とミュージックプレイヤーは分かれていたほうがいい」などと言っていたわたしが、2018年以降はSpotifyのプレミアムプランに登録しているのだから、「十年一昔」とはよくいったものだ。
先日押し入れの荷物を整理していると、プレイヤーの入ったポーチに目が留まった。ふと、久しぶりに充電して、子供を寝かしつけつつ寝る前に聴いてみようと思い立つ。
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ちなみにこのポーチは、SONYの前に使っていたKENWOODの長細いミュージックプレイヤー(確か壊れてしまったんじゃなかったかな)も入れていたもの。中学生の頃、河口湖のショッピングセンターで購入した。タグの「crybaby」というメーカーが現在も存在するのかは不明。
(ググったら、最初に出てきたのはOfficial髭男dismの「CryBaby」という曲の情報だった)
電気を消し、布団に横になったままイヤホンを装着し、電源を入れる。画面が小さいため、それほどまぶしくない。子供が気付いて興味を示しても、すぐに伏せてごまかせるのもいい。
インターネットに接続されていない、ネットワークからはほぼ寸断された、自動で更新されることのない孤島のような世界。十年前は感じなかったであろう心細さから、プレイヤーに装備されているFMラジオをちょっと聴いてみる。マンション内だからか、拾うのは「78.6MHz」の一局のみ(後で調べたらFM香川だった)。人の声が聞こえてくる。誰がしゃべっているのかは分からない。芸人さんかな?ちょっとほっとする。
確認すると318曲が登録されていた。
当時もそうしていたように、あいうえお順のアルバムリストの最後から聴いてゆくことにする。
面白かったのは、一部の曲はYoutubeで見たプロモーションビデオのことを思い出す、という点。YouTubeで気に入った曲を探すのも、最近はほとんどやらなくなった。気になったプロモーションビデオをチェックしておいて、それを一回だけ見るくらい。
上記のビデオのことではないが、現在の価値観で振り返ると「これってどうなの?」、「炎上しそう」と感じそうなPVも、当時はさして疑問に思うことなく、むしろちょっと得した気分で見ていた。
友達に貸したまま返ってこなかったCDのことを思い出したり・・・
旅行でベトナムに行った時買ったCDが入っていたり・・・(ベトナムの歌謡曲は日本と似ていて面白かった)
地元のラジオ局で「今月のリコメンド曲」になっていて散々聴いた曲を思い出したり・・・
ちなみにこのFRIDAというスウェーデンのシンガーソングライターは現在でも活動されているようだ。「当時この曲を気に入っていた」とつい最近書いている方がいらっしゃるのを見つけ、とても嬉しい。ネットもあったけど、当時は同好の志を見つけるようなこと、あまりしなかったなあ。
エレクトロニカの魅力に気付いたり、映画のサウンドトラック(エリック・セラなど)をひたすら聴いたり、ブラジル人の友人から教えてもらったボサノバのプロモーションビデオのセクシーさにどぎまぎしたり、ドハマりした曲のアーティストのアルバムを買ったら他は大したことなかったり、手放したCDがプレミアものになっていて地団駄を踏んだり、YouTubeにない曲のCDを買って取り込んだり、父のカセットから録音したYMOにハマったり、平沢進はすげー!と思ったり(音楽の著作権の問題について知ったのも平沢進がきっかけだった)・・・
つらつら書いているとキリがなくなりそうなので今日はこのあたりにしておくが、かつてポータブルミュージックプレイヤーに入れていて、改めて「いいな」と思った曲を振り返る機会は、もう一度作ってみたい。
あいうえお順のアルバムリストを最後から遡っていくと、「最後」、つまり最初に入っているのが「相棒オリジナル・サウンドトラック」になる。
「相棒」はテレビ朝日の有名刑事ドラマシリーズ。中学、高校の頃、本放送や再放送を録画してはひたすら見ていた。大学生の頃には「相棒 劇場版」第一作が製作され、学校の近くで行われた撮影のエキストラに参加しようか迷ったほど(あの時行っておけばよかったなあ)。この作品で名前を知った俳優さんは数知れない。わたしの世界観、価値観を築いたと言ってもいいだろう。
アルバムの最後に入っている「黄昏」という曲を聴いてから寝るのが当時の習慣だったことを思いだし、にんまりする。ドラマ本編では、右京さんと亀山くんが肩を並べ、夕日のあたる坂道を下ってゆくようなシーンで流れる曲。今のわたしも、「黄昏」を聴いたらやっぱり眠くなった。
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