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この春新生活を迎える女性たちへ~生理痛が辛ければ産婦人科に行こう
2024年の春。
それぞれの場所で、自分なりの方法で新生活を始める方々、おめでとうございます!
期待も不安も、どちらもたくさんあると思いますが、どうぞ無理なく、自分のペースで歩んでいってください。
わたしも今から十年ほど前に新生活…就職して、仕事を始めました。
色々あって辞めてしまいましたが、あのときの新鮮な気持ちを、今でも忘れることはできません。
一つだけ、後悔していることがあります。
もしタイムマシンに乗って十年前に戻ることができたら、あの頃のわたしに「こうしたほうがいいよ!」と強くすすめたいことが一つ。
それは何か?
この記事で書いてみたいと思います。
仕事を始める前、不安で仕方ないことがありました。
それは、高校時代からひどくなった生理痛のことでした。
生理になるたび、布団から動けなくなるほどの腹痛に悩まされていたわたし。
毎月鎮痛剤が手放せず、生理はまさに恐怖そのもの。
でも、なんとなく抵抗感があって産婦人科には一度も行ったことがなく、治療も全くしていませんでした。
保健室の先生から低用量ピルをすすめられたこともありましたが、家族からは「ピルなんて、副作用が…」と言われたため、通院を検討することもありませんでした。
「仕事のある日に生理になったらどうしよう…」
一人で悩みました。
学生時代は授業を休めば済みました。
でも、仕事を始めてからはそうはいかない。
生理になるたびに2~3日休むわけにはいかない。
生理と大事な仕事の予定が重なることもあるかもしれないのに…
そんなことはない、生理の時は何日休んでも大丈夫、と考えることもできますが…
けれど、特に対策をすることもなく、新生活に突入してしまいました。
鎮痛剤があれば大丈夫、きっとなんとか乗り切れる、という謎の自信で自分を奮い立たせて…
では、実際にはどうだったでしょうか?
残念ながら、なんとかなりませんでした。
重い生理痛の治療をしないまま仕事をすることには、かなり無理がありました。
具体的にはどんなことが起こったでしょう。
○OJT研修の先輩と上手くいかなかった
入社後の一年間、仕事を教えてくれたのは女性の先輩でした。とても仕事のできる方で、交流の絶えてしまった今になっても尊敬の気持ちを抱いています。
ただ、彼女との関係性には、どこかギクシャクしたものがありました。わたしが未熟すぎて迷惑をかけたせいで、先輩にウンザリされていた…という可能性も十二分にありますが、こちらがもう少し心を開いていたら、もっと違う関係性が築けたのでは、と今でも思うことがあります。
そのきっかけは、生理痛で研修を半日休んでしまったことにあった気がします。午前中は鎮痛剤を飲んで休み、午後から出勤すると、先輩からは「もう社会人なんだから、体調管理はしっかりしないと」と叱られました。至極もっともなことでしたが、わたしにはそれが「社会人なら生理痛くらい我慢しなさい」と聞こえてしまいました。「体調管理」には、生理痛の治療を検討することも含まれていたはずなのに。「先輩は同じ女性なのに、生理痛で具合の悪い後輩にも鞭打つようなことをするのか」…ある意味勝手に絶望して、ますます先輩との間に溝を感じるようになったのでした。
○セクハラ、パワハラの標的になった
大前提として、そもそもセクハラやパワハラは許されることではありません。しかし残念ながら、世の中には非常識なハラスメント行為に及ぶ人たちが一定数存在します。新生活においても、そういう人たちに出会わない保証はありません。だとしたら、嘆かわしいことではありますが、狙われないように工夫しておくのも、身を守る方法の一つということになってしまいます。
わたしの場合、生理痛を治療せず我慢していたことが、ハラスメントの標的になった背景にあったことは否めません。
入社から4~5年経った頃、生理痛で月曜日に休んだことがきっかけで、10歳ほど年上の女性管理職から目をつけられてしまいました。「もしかして、妊娠?」「月曜日から仕事を休むなんて、ご両親の教育が悪かったからじゃないの?」…以来、どれだけ生理痛が辛くても出勤するようになりました。その後も、突然キツく当たられることが増え、一挙手一投足を監視されているような毎日に耐えられなくなり、遂に体調を崩してしまいました。
先ほども書いたように、ハラスメントは決して許されることではありません。ただ、生理痛を治療してさえいたら…だとしても「治療していても、これだけ辛いんです!」と言い返せた気はしませんが、もう少し働けたのではないか、と思ってしまいます。
○「無理をする」がデフォルトになってしまった
生理痛があるのは、仕方ない。だから鎮痛剤を飲んで、できるだけ我慢する。どうしても無理な時は仕事を休んだり、早退したり、午後から出勤したりすればいい…
生理痛の治療をしないまま過ごすことで、いつの間にか「無理をする」ことが生活のデフォルトになっていました。
重い生理痛が始まってから十年。
もっと小さい頃からの、持って生まれ性質もあるのだとは思いますが、その十年間で築き上げた「無理をする」ことがデフォルトの生き方を変えるには、わたしの場合「うつ病」という大きな衝撃が必要でした。
周囲の人との人間関係にも、仕事にも、そして何より自分自身の生き方にも大きな影響を与えた「重い生理痛」という落とし穴。
これから新生活を迎える女性で、重い生理痛に悩んでいて、でもまだ産婦人科に行ったことがないという方は、どうか一度産婦人科に足を運んでください!
(もちろん、生理痛は重くないけれど、産婦人科は未経験という方も)
地元の産婦人科に抵抗があれば、隣の自治体でもいいですし。
初めて行った産婦人科に違和感があれば、別の病院に変えてもいいですし。
そして、低用量ピルでの生理痛治療も、一度検討してみてください。もちろん、副作用はありますが。
(わたしは専門家ではないので素人の知識になりますが…低用量ピルのなかにも、弱めのもの、強めのもの[UD、ULD]があります。強めのものには生活に支障が出るものもあるので、ピルを処方されたら、強めのものか弱めのものか、ちゃんと確認したほうがいいです。もし強めのものだったら、弱めのもののほうではダメな理由を確認し、納得できなければ別の病院を探してもいいかも?)
【ピルと性欲】ピルの中でも服用する事で性欲減退する可能性のある種類がある。アンドロゲン(男性ホルモン)活性の少ない・無いピル、そして超低用量ピルは性欲減退する傾向にあるという報告がある。該当ピル服用中に性欲減退が生じた場合、アンドロゲン活性の高いピル又は低用量ピルへの変更検討を。
— 高橋怜奈/産婦人科医YouTuber (@renatkhsh) February 4, 2019
わたしの場合、低用量ピル(UD)のおかげで生理痛はかなり軽減されました。
うつ病治療中にも服用していたので、PMSに振り回されることがなくなり、プラスに働いたのではないかと思います。
鎮痛剤は今も手近に置いており、時々飲むこともありますが、寝込むほどの痛みはほとんどなくなりました。
現在は育児中なこともあり、生理痛で寝込む訳にはいかないので。
それでも産婦人科に抵抗がある…という方は、素敵な産婦人科医の先生の本だけでも読んでみてください。わたしは時々、高尾美穂先生の本やSNSをチェックしています。
本当は、生理痛で仕事を休んだ女性を不利益な立場に追い込むような社会のほうに変わってほしいですよね。
確かに最近では「女性の辛さを理解しよう」「生理痛が重い女性もいるということを知ろう」という動きがあることも確かです。
でも、残念ながら社会全体が変化している訳ではありません。
先日の震災のニュースでも明らかなように、「生理用品」というだけで「女性だけなんて不公平」「いやらしいもの」というイメージを持つ人までいるようですし…
身体も心も、どちらのコンディションも整えておかなければ「この社会っておかしくない?」と声をあげ続けることはできないですから。
とはいえ「生理痛って薬で治療できるんでしょ?あなたも治療で少しはマシになってるんでしょ?だったら多少は我慢して頑張りなさいよ、社会人なんだから!」というような世の中にはなってほしくないのです。
薬で全てが解決する訳ではありません。
人間には、なんのために想像力や、思いやりや、優しさが備わったのでしょうね…?
この春新生活を迎える女性たちへ。
生理痛が辛ければ、一度産婦人科に行きましょう。
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