すぐに知り合いができるのはよいことかもしれないけれど
またひとつ、自分の偏見に気付いた春である。
見知らぬ地で、すぐに知り合いができるのはよいことである。
・・・一見「その通りじゃないか」と思える考え方かもしれない。
自分もそうだった。
新しい土地にやってきて、それでもすぐに環境に馴染んで、新しい知人友人に恵まれた自分のことを、もしかすると偉い存在だと思っていた節があったかもしれない。
特に家族に対してだ。
引っ込み思案というわけではないが、移住してきて以来、仕事以外の交遊関係が広がらず、職場と家の往復が生活のメインになっている家族に対して。
そんな家族よりも、自分は社交的で、交遊の輪も広がって、より広い世界を見ることができていると、いつから思い始めてしまったのだろう。
確かに、新しい知人友人が増えるのは楽しいし好ましいことだ。
自分に新しい視点や価値観をもたらしてくれる。
より小さな村や町なら、知人友人を増やしておくほうが、今後の生活においても、もっといえば、いざという時にお互いの命を守るという点で助けになる可能性はより大きくなる。
ただ、知人友人の多さや、交遊関係の広さだけでなく、その構築の速度を、優越感をもって語ってはいけない、と最近気付いた。
前から分かっていたつもりではいたけれど、まさか自分がそちら側の人間になるとは思っていなかった。
知人友人が増えるということは、当然、新たな人間関係の中に飛び込み、そこで様々な喜怒哀楽を感じてゆくことになる。
うまく行くこともあれば、当然失敗することもある。
新たな世界を築くということは、自分から新たな課題にぶち当たってゆくことでもあるのだ。
果たして自分には、そのことの重要性がどれほど分かっていただろうか。
そんな自問をしたところだ。
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