頑張りすぎて疲れてしまったあなたへ。
ヒトには、ホメオスタシスという機能が備わっている。
からだの状態を一定に保とうとする機能だそうだ。からだの熱が上がりすぎないよう汗をかいたり、傷口を治そうとしたり。
この機能は、私たちが意識しなくても勝手に作動する。
からだがそうなのだから、もしかしたら心も「一定である」ようにとコントロールされているんじゃないだろうか。
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ヒトのからだを構成している細胞には、アポトーシスという現象が起こる。
いらない細胞や悪い細胞が勝手に死んでいく現象で、「細胞の自殺」なんて呼ばれている。
からだを健やかに保つため、あらかじめDNAにプログラムされた機能なんだから仕方がない。
だけど、なんだか切ない。
私のこのからだのどこかで今日も、細胞がひっそり自殺している。
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どうにもこうにも頑張れないときがある。
頑張らなくちゃいけないのに。やり切らなくちゃいけないのに。
そう思う気持ちだけが空回りして、とてもとても苦しくなる。頭でわかっていても、心がついてこない。
責任感が強く、つねに自分を高めていたいと思う人ほど、こういう状態に陥りやすいように思う。
たくさんのことを抱えてしまい、気持ちだけが先行し、からだがついていかなくなる。
そして、そんな自分を責めてしまう。
「なんで頑張れないのか」
「なにサボってるんだ」
自分のことを理解できるのも、大切にしてあげられるのも、自分しかいないのに。自分で自分を攻撃してしまう。
私も、そう。
頑張れない自分を責め、どんどん自分を嫌いになり、やがてすべてのやる気を失ってしまう。
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そんなとき、ホメオスタシスとアポトーシスのことを思い出す。
からだは「一定であること」を望む。
細胞はプログラムされて自殺を遂げる。
すべてはヒトとしてのバランスをとり、健やかであるために。
それと同じように、私たちの心もバランスをとろうとして、健やかであろうとして、勝手にコントロールされているんじゃないかと思う。
頑張りすぎてしまったら、頑張れないようにブレーキをかける。
頑張らない時期があったら、頑張れるようにアクセルを踏む。
そんな風に、私たちは無意識のうちに操作されているんじゃないかと思うのだ。
だから今「頑張れない状態」だったとしても、またバランスをとろうとして頑張れる時期がやってくるんじゃないだろうか。
逆に、からだのことが不安になるくらいアクセル全開で頑張っていたら、そのうちスンとエンジンが止まるんじゃないだろうか。
そうやってヒトは、からだと心を健やかに保とうとしているのかもしれない。
もし頑張れなくなってしまっても、苦しんだり自分を責めたりする必要はない。
それはDNAに組み込まれた機能かもしれないから。
細胞が勝手にやっていることかもしれないから。
「いつかまた頑張れるタイミングで頑張ればいい」
そう自分に声をかけて、再起動を待てばいいのだと思う。
ユキガオ
*医療関係者ではないので、ホメオスタシスとアポトーシスについては自己解釈が入っています。ご了承ください。
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