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みんな、応援してるんだよ。

人を信じるのが怖い。

いや、正確に言えば「人を信じて裏切られて傷付くのが怖い」のだ。私は弱い人間だ。

すっかり「周りはみんな敵」思考が染み付いてしまっている。家族や長年付き合いのある親友たちを除けば、基本的にみんな敵。

人を信じられないから、自分の味方であると思うことができない。誰も私のことなんか味方してくれるわけなんてないと思っている。

その結果、自分のことを人に話せなくなった。

「どうせ誰も興味ないだろう」
「話したらバカにされるんじゃないか」
「何言っても聞いてもらえない」

そんな風に、勝手に思い込んでいる。他人に対して期待しないように、はじめから諦めている。「どうせ誰もわかってくれない」と。

誰にもわかってもらえないなら、誰にも話す必要なんてない。この思いや考えは、ずっと自分だけのものとして心の奥底にしまっておこう。

そうすることが、いつの間にか癖になっていた。悪い癖。

* * *

そんな私の淀んだ暗い心の中に、光が差した出来事があった。

応援してくれる人は、自分で思ってるよりずっと多いと気付いた話。

自分のこれからのことを、少しずつ周りの(数少ない信頼できる)人たちに話している。そこで返ってくるのは意外にも、応援の声ばかりだった。

信頼できると思っているにもかかわらず、私はその人たちから応援の声しか出てこなかったことに驚いた。そして、気付いたのだ。

私には、応援してくれる人がいる。

誰に反対されても揺らいではいけない。それで揺らぐような決断なら、しない方がいい。そう思って、考えに考えて下した決断だった。

でも、そんなに気張らなくたって、誰も反対なんかしなかった。このさき反対する人は出てくるかもしれないけれど、そんなことはもうどうでもいいとさえ思えた。

自分のことを理解して応援してくれる人がいる。それが、こんなにも心強いとは知らなかった。無敵になった気分だ。

これから先の人生、なんでもやっていけるような気がした春の日。こんな20代最後の春なんて、最高じゃないか。

ユキガオ

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