バーベンハイマー
今更ですが、オッペンハイマーとバービーの両方を観れたので鑑賞を。
どちらもクリエーターの想いはいろいろ感じられて構成も複雑だったので、観る人によって印象は異なるかもしれません。
オッペンハイマー
正直意外性があった訳ではなくて、オッペンハイマーの人物像としては想像していた範囲内でした。それよりもその場の目的意識に突き動かされる人間が普通にいつもやってしまうところとかが表現されてて、あーこういう風に議論や会議でこんなに重要なことが決まっていくんだなと感じました。会話が実際にあったものではないけど、会議ってそうなりがちなのは本当だから、逆にリアルに感じました。
人間の不安が人によってどう出るのか、とか。人の弱さもよく描かれてたけど、結局弱い人は流されちゃうし実は深く考えないのが性というところが1番のメッセージなのではないかと思いました。
ただ、表面的なところだけを切り出すと日本人としては不安というか不満、人によっては怒りを感じるシーンはあると思います。原爆の影響がただの数値で表されて、当時の事実としては実証実験成功が描かれていて胸が抉られました。アジア人ゼロの環境で鑑賞したこともあり、観客の反応にも一部動揺するところはあったので、日本人との温度差はあるんじゃないかと思い、あー、これは公開されないんだろうなと感じました。
バービー
もっとフェミニズム全面に出てるかと思いきや、やっぱりスポンサーのおもちゃ会社の影響力を感じました。
スポンサー: バービーはなんでもできる!
でも会社のボードメンバー全員男
監督: 女性活用が主目的かな、と感じます。エンタメ性が強い
主演: 女性の強さだったり、現状の男女格差に強い物申しをしていて、1番フェミニズムを推している気がします。
実際の映画では、確かになんでもバービーはできるから、大統領にも医者にも宇宙飛行士にもなってるのですが、洗脳されてしまった時は、本当はやりたくない、プレッシャーだ、というようなセリフがあって(会社の男たちも同様)、まるでそれが大変だから男性がやってるんだ、というように言われている気がして少し残念に感じました。
女性の社会進出はただ昇進して良い職業に就くのではなくて、ビジョンを持って世の中に貢献するからこそ負けないでブレずに仕事が続けられるんだ!と自分への言い聞かせも含めて、強く思いました。
個人的には不完全燃焼感はありますが、あの会社のスポンサーありきでフェミニズム映画を作るのはあれが今の限界なのかもという指標にはなりました。
ミュージカル要素が強すぎたのは意外でしたが、監督の表現したかった芸術的なシーンを理解すると納得。エンタメ性が強め。
マーゴットロビー、ライアンゴスリングが本当に美しい!今一番の推しのDua Lipaちゃんの音楽も素敵でした。
両方ともよかったけど、なんとなく今の日本ではブームにならない要素は感じました。