#217 苦しかった機内・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月22日(木)22日目・・・3
16:44、飛行機はJFKの滑走路に出た。驚いたことに、3週間前に日本を飛び立つ時と、ほとんど同じ風景だった。
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陽が落ちて薄暗くなりかかった空港を、3週間前に日本を飛び立つ時と同じように、楕円の窓から眺めながら、虚脱感に襲われていた。
不思議だった。3週間前に日本で見た風景と、今、JFK空港で見ている風景が、天気も時間も空港であることも同じなのに、こんなにも心情が違うなんて。
滑走路を猛スピードで前進する飛行機にも、窓から眼下に見えるNew Yorkの街の灯りにも、3週間前の感動はなかった。暗闇の中にどんどん消えていくNew Yorkを見ながら、ただただ淋しかった。悲しかった。
成田を飛び立った時には感動の涙が流れたが、JFKを飛び立った時には、やりきれなさすぎて涙も出なかった。
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離陸後2時間ほどして、夜ご飯に頼んだサバのお弁当が配られた。
あんなに食べたかった日本食なのに、味気なささえ感じていた。
3週間前は人生初の機内食を食べるのが夢の1つだったのに、今は美味しいかどうかもわからない。空腹のはずなのにあまり食欲はなく、もたもた食べていたので、途中で機内の電気が少しずつ暗くなり始め、食べ終わる前に、本も読めないほどの暗さになってしまった。
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仕方なく読書灯をつけて、残りの食事をかき込んで、ふて寝することにした。寝ることで淀んだ気分を変えようと思ったのだ。
こうなったらもう、さっさと日本に着いて、とっとと自宅に帰りたかった。
こんなに暗くて狭い機内で、うじうじと悲しんでいるのは嫌だ。目が覚めたら太平洋の真ん中あたりにいて、ちょうど日付変更線を通る頃かもしれない。iPhoneの日付がどう変わるか見てみるのも面白いと思った。
いくらか眠ったようで、ふと目が覚めて、もう日本に近づいているかなぁと、飛行機の現在地を見て愕然とした。まだカリフォルニア上空で、海にも出ていなかった。もうがっかりしたのなんのって、New Yorkへの未練を断ち切りたくて、一刻も早くNew Yorkを、アメリカを離れたかったのに、まだアメリカ上空だなんて。
そして早く日本について夜が明けて、お日様に当たりたかったのに、まだ20時間以上、夜は続く。
なんなんだ、時間がこんなに長く感じる感覚は。行きはドキドキワクワクしているあっという間にJFK空港に到着したのに、帰りはどうしてこんなに時間が長く感じるのだろう。
途中で、胸を圧迫されるような感覚になり、息苦しくなって、うわぁぁぁぁぁぁぁと叫びたい気分になった。辛かった。夢のようなあっというまの3週間を振り返る余裕もなく、ひたすら気落ちしていた。
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