#65 53歳の私はシニアなの?・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月4日(日)4日目・・・10
Apollo Theaterに遭遇して大感激したHarlemだったが、そろそろ宿に戻って、今日は少し早めに休もう。前夜、夜中に爽快に目覚めてしまい、睡眠不足だ。疲れはまったくないが、無理して体調を崩してしまっては残念だ。
遅めの午後、135st駅から地下鉄に乗った。
Downtownへ向かう車内は、座れないほど人が乗っていた。
Haremではあまり人と合わなかったのに、車内に人が多くいることが不思議だった。
地下鉄はまだ少しだけ緊張するので、込み合う車内でポールをギュッと握りしめて立っていた。
すると5歳くらいの男の子(孫?)を窮屈そうに膝に乗せた、勝ち気そうな小柄なお婆さんが、隣りに座っていた13、14歳くらいの男の子(孫?)を立たせた。男の子は156㎝の私より背が高いが、顔には幼さが残っている。
お婆さんは何故か私を指差し、空いたその席に座れと、私を指したその指を、座席に向けて合図をしてきた。 〝え? 私? どうして?〟 だって、空いたその席は、たった今まで男の子が座っていた席だ。 なぜわざわざ立たせて私に席を譲る? 理解できなかった。
「Me?、Me?」
自分を指差しながら、思わず2度聞いた。するとお婆さんは、大きく頷きながら空席を指差している。立たされた男の子を見ると無表情。そりゃそうでしょ。せっかく座っていたのにいきなり立たされて、いい気はしないよね。
それにしても、こういうことNew Yorkでは日常なの? しかも他にも乗客はたくさんいたのに、どうしていきなり私なのだろう? そんなに疲れた様子だったのか? もしかして、私、シニア扱いされている?
まあ、窓ガラスに映った私は、お婆ちゃんと大して変わらない容姿か。 にわかには信じがたかったが、せっかくのご厚意だ。他に立っている乗客をすり抜けて、ありがたく座らせてもらった。
日本で電車に乗っていて席を譲られたことなどないのに、New Yorkに来ていきなり譲られたことに驚いて、ビックリしてしまった。
けれど、3週間の滞在中に、私を含め、私以外でもこんな光景に、数えきれないほどたくさん出逢ったのだった。