#210 払えばよかったTIPS・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月21日(水)21日目・・・3
購入したホールケーキほどのパネトーネ4つは、荷物になるので、一旦、宿へ置きに戻る。
その前に、エンパナーダ・チキン&スピナッチを購入。
エンパナーダもこれが最後の購入になる。
受け取った後、宿に戻ろうと歩き出したとき、ふとカウンターの横にぶら下がったビニール袋に目が留まった。そして私の次のお客さんが、そのビニール袋に中に、手を入れているのが見えた。
ビニール袋のすぐ横に、英語で書かれた張り紙が貼ってあり、文章は読めないけれど、【TIPS】の単語を見つけ、ハッと気が付いた。
そうだ、今まで何度もエンパナーダを買ったけれど、商品の値段300円ほどを払っていただけだった。てっきりベンダーなのでチップは必要ないと思い込んでいた。
けれど、チップの文化がある国だ。お金を払うということは、チップも発生するということなのだが、レストランのように、最初からレシートにパーセンテージが記載されているのでもなく、テーブルに置くこともできない。
そのためのビニール袋だったのだ。
けれど、Tips袋を認識した時には、私はすでに車から数m離れており、4つのパネトーネとエンパナーダを持っていたので、わざわざ戻って払うのが面倒で、そのまま宿に戻ってしまった。
宿に戻って、部屋で買ったばかりのエンパナーダを味わって食べながら、少し心がチクッと痛んだ。
こんなにお世話になっておきながら、エンパナーダ代だけしか払っていないなんて。心の中で〝おじさん、ごめんね〟と思いながら、最後のエンパナーダを味わった。
1回目に買った時は勇気を出して「ONE EMPANADA chicken& spinach」と、こわごわ言いながら買ったが、最後は「I‘d Like~」とスムーズに言えるようになっていた。
小さなことだが大きな進歩だ。そんなことを考えながら、3週間の終わりをヒシヒシと感じていた。