【第2話】妻の借金400万円カミングアウト

話は妻と僕の過去にさかのぼります。

付き合いだして1ヶ月くらいだったでしょうか。

まだお互いが背伸びをして自分を良く見せようとする時期。

ぼくたちも例外なくそんなカップルでした。

でも、ある事をきっかけに

ふたりは背伸びをすることもなくなりました。

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ある日の夜、彼女（現妻）と僕は同じ部屋で

それぞれのSNSを更新していました。

たしか妻はブログ。

僕は動画編集。

薄暗い部屋の中、お互いのタイプ音が途切れず鳴り響いていました。

パチパチ、、パチ、、

、、、、、

、、、

、、

突然。

彼女が。

言ったんです。

彼女（妻）「あのさ、、、、わたし、借金あるんだよね」

（僕「と、唐突だなぁ…」）

僕「ん、、、、、いくら？」

彼女（妻）「、、、、、、、、、、400万円」

（僕「よ、よんひゃく、まん、えん、、、」）

（↑　僕の心の中）

静まった部屋の中、彼女の声だけが響きました。

今思えばぼくが飲み込んだ息を妻は聞いていたかもしれません。

僕「ふーん。そうなんだ。」

彼女（妻）「、、わたしね、、お金にだらしないの、、幻滅したでしょ。」

僕「全然！」

　「いいじゃん、400万円分余計に人生楽しんだんでしょ？得したねw」

人には色々な解釈や考え方、物の捉え方があります。

僕はいつもそう、何でもポジティブに考える。

単なるポジティブバカです。

実際のところ、そりゃビックリしましたよ。

心の中では二度見しましたよ。

彼女を。

そして400万円という額に。

でもそれより、
自分の欠点を人に言えるなんてすごい事だと思ったんですよね。

誰にでも言えない事を、付き合って間もないのに言ってくれた。

これがものすっっっごーーーーーーーーーく嬉しくて。

心の中で思ったんです。

「この人、絶対正直でしょ」

いや、ちゃんと借金返しても嘘つく人なんかいっぱいいるよ。

隠す人なんかいっぱいいるよ。

それを正直に話してくれる人なんて、そうそういないよね。

この人に出会えたことは

もしかしたら僕の一生の財産になるかもしれない。

そう思ったのを今でも思っています。

確かに人から借りたお金を返せないのは

社会的モラルから反することかもしれません。

でも、それには何か事情がきっとある。

僕が一番、いま敏感になるべきことは

”借金の原因”でも

”妻の返せない能力”でも

”実際に400万円の借金がある事”でもない。

妻が僕に打ち明けてくれたことです。

人と付き合っていくうえで大切なことは

その人を信用できるかどうか。

僕はこの1点だと思ってます。

（もちろん人それぞれだと思いますのであくまで僕個人の意見です）

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実はこの頃、

ぼくも前妻と離婚したばかりでお金ないし

超極貧生活。

この彼女とのやり取りの後

ぼくが

「自分もお金が全然ないんだよね」

と全く辱めも受けずに

さりげない後追いカミングアウトができた事はたぶん妻は知らない。笑

でも、胸の中で何かが溶けていきました。

「あ、もう背伸びをする必要ないんだ」
「この人とは正直に生きていこう」

（つづく）