アンケートが始まりました
ご協力、ありがとうございました。
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僕はホラー小説をほとんど読まない。活字媒体のホラーでなじみがあるのは、2ちゃんねるのまとめサイトで読んだ、実話だか創作だかわからぬ物語ばかりだ。中学生高校生時代には、よく読んだ。
ふとした拍子にちがう世界の存在とまみえたせいで、日常生活がくずれていくさま。読んでいて鳥肌が立つこともあった。どうか僕の人生では無縁でありますようにと強く願ったものだ。
最後の最後で、悪寒が走るような文章に出会うこともあった。
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Amazonのkindleでは、基本的には漫画しか買わないことにしているが、あまりにもすぐ読みたくて買ってしまった小説が、「口に関するアンケート」だ。
背筋という方の著書で、電子版で30ページ程度の掌編である。
いわくつきのホラースポットで肝試しをおこなった大学生たちが独白する。どうやら、肝試し後に、参加したひとりの女性が自殺をしたらしい。
彼ら彼女らは、自分が見たものを話す。その物語は、この世からはみ出した存在がふくまれている。
独白は、突然終わる。
違和感が尾を引く。
アンケートが始まる。
どういうことだ。
ああ、これは――。
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僕にとって、古きよきホラーの読みものであった。
一文でぞくっと背筋が震える瞬間は、格別だ。みなにも味わってほしい。