母、妹と話した『仏壇終い』の話・子宮体がん手術まであと14日
私の「子宮体がん」を知って石川の実家から東京まで会いに来てくれた母。
母は、東京に来るときは私の妹のマンションに泊まります。
そのマンションの近くの富岡八幡宮と深川不動堂を一緒にお参りしました。
なぜ?このタイミングという話題が次々と
この時に偶然にも5年前に亡くなった父の位牌と骨壺のことが話題に。
今このタイミングでこの話になったことが本当に不思議で、でも、何か意味があり、見えない力が働いているのではと思ったので、このことを書きます。
(母との会話の時は、実家の石川県の方言で話しているので、会話は方言での表現になっています)
母の実家が無くなってしまった経緯
参拝の後に一休みしようと、参道脇の甘味処に入り話題は、親戚(母親の実家)のことに。
母は5人兄弟の末っ子で、実家を継いだ母のお兄さん(叔父さん)は既に他界しています。
その家には私の同い年のいとこ(Yちゃん・女性)がいるのですが、最近、彼女が、その実家を処分してお母さん(叔母さん)と、そこから車で1時間ほど離れた都会の方へ引越しをしたそうです。
「自分の実家が無くなってしまった」
「Yちゃんは、私に何も言わずに引っ越してしまった」
と憤慨と悲しみを交えて話してくれました。
母は今、76歳。
22歳で結婚して家を出て、50年以上経っているのにと
ちょっと呆れて、可笑しくなりました。
同じ年54歳独身のいとこのYちゃんと『仏壇終い』した母
私のそのいとこ(Yちゃん)は、ずっと独身で
彼女のお母さん(私の叔母さん)も足が悪く1人で外出できない状態。
実家の家屋も古くなり、雨漏りもするようになっていたらしい。
「これからの2人の生活を考えて、それが一番いいと思っとるんやし、そんでいいやん?Yちゃんにもいろいろあるんやさけ」
と母をなだめました。
実家は更地にして売却の予定のようです。
その前に『仏壇終い』のお参りをして、業者に引き取ってもらったそうです。
その時に、いとこのYちゃんと一緒に仏壇終い立ち会ってお参りをしたそうです。
突然『うちも仏壇終いする』と宣言する母
話を一通りすると落ち着き、次にこんなことを言い始めました。
「そやし、うちもS子(私の妹)とあんたに迷惑かけんように、来年のお父さんの7回忌を最後に『仏壇終い』しようと思っとるんや」
父が他界して5年。私の家は、私と妹(仮S子)の2人姉妹です。
私が先に結婚したので、妹の夫(義弟)が婿養子として実家を継いでくれています。私と妹、それぞれ子供が2人います。
(私)S子が家を継いで孫までおるのに何言うとん?
(母)そやったかってあんな大きな仏壇、あてが死んで残ってもS子も困るやろ?東京のマンションにも入らんし。
(私)お母さんが死んだ後、仏壇をどうするかはS子が決めればいいやん?
それにS子が迷惑と思っとるかどうか聞いたんか?」
(母)それは聞いとらん
じゃあ、S子に聞いてみないとと言うことで
急いでS子のマンションに帰りました。
仏壇について3人での家族会議(母と妹、私)
タイミング良くマンションにいた妹に、甘味処で話になった実家の仏壇の話をすると
(S子妹)「どうって言われてもまだそんなこと考えたこともなかったわ」
(母)ほら、そうやろ、あんなでかい仏壇この狭いマンションに置けんやろ?
とたたみかける母。
妹は、私たちが帰ってきていきなり話し出した話題に、内容が掴めていないようでした。
(私)仏壇はどんな形でもいいやん?今は狭い家でもおけるのもあるんやし。大事なのはじいちゃんとばあちゃんと、、、お父さんとちゃんとお参りすることやん?
父の位牌がないことが発覚
(母)だってお父さんの位牌もないし
(私)え、ないってどう言うこと?
(母)だって、お葬式の時火葬場で棺に入れて燃やしてもうたやん?
(母)火葬場の人も入れていいって言うたし
(妹S子)あれは、仮の位牌やったからやろ?あれから作っとらんの?
(母)おん、檀家の住職さんもいつでもいいって言うさけ、、、
(私)いつでもいいって何年経っとるん?
(母)だって、来年の7回忌で『仏壇終い』するからもういいかと思って
父が亡くなったのが2020年の1月で、その直後からコロナが流行しました。
当時、この地域では身内でも東京から人が来ることをみんなが嫌っており、
私たちも父の葬式以降帰る機会がなかなかありませんでした。。
1周忌、3回忌を母に任せきりにしていたことで、今まで話し合うことなく、
当然そうしているであろうの前提で過ごしてきたことが、そうではなかったことがここで明らかになりました。
「だってS子とか〇〇ちゃん(孫)にも迷惑かけたくないし」
とだんだん悲しそうな声になっていく母
妹の本音が出始める
妹も徐々に内容がわかってきて、自分の思うことを話し始めました。
(妹S子)迷惑とかそんなこと考えたこともないけどさ、そのなんか中途半端な形で残された時が、後私はどうしたらいいん?ってなるのが嫌やわ。
これはこうしたから、あとはこうしてねって言う形で残して欲しいんやけど
「だから終うんや」
と意固地気味な母
(私)だから、終うって言うのは、自分に子供がおらんさけそうするだけで、お母さんは、2人子供おって、孫が4人もおるやん?Yちゃん(いとこ)とは違うがいね?
(妹S子)それと私が嫌なのは、実家に帰って仏間で泊まるやん?
その寝る時に、骨壺が置いてあるのがずっと嫌なんやけど
骨納をしていないことも発覚
(私)え?骨壺?
なんと家にまだ骨壺を置いてあることがここで判明。
(母)やっぱり嫌やったけ?
と能天気な母
あまりの能天気さに
『そんなん嫌に決まっとるやん〜』と娘2人の声がそろい
3人で大笑いになる。
(私)骨壺を家に置いてるのは絶対ダメだよ
すぐにお墓に入れないと
(母)そやかて、もろた骨壺大きいさけお墓に入れられんもん
確かに実家のお墓は古くからあるので、墓石が小さいのです。
父は体が大きかったので、骨がしっかりと残り、それをまとめるのに
大きな骨壺で渡されたのです。
しかも、お墓は車を止めてから坂をかなり登る場所にあり、
膝を痛めた母が1人で納めるのは難しかったのです。
今、娘2人を目の前に困惑する母のその表情を見ながら
背景を想像するとだんだんおかしくなってきました。。
内容としては深刻なのですが、笑いながらの会話が続きます。
(母)それに、ごぼさん(お寺の住職さん)が残った骨は引き取ってくれるって言うとるし、それも仏壇終いの時に一緒にすればいいと思うたさけ、今そうしとるんや
(私)それは無縁仏の骨のことやろ?
うちは、子供も孫もおるんやさけ、残していかんといかんやろ?
今、お母さんの周りにそういう人多いかもしれんけど、お母さんにはうちらと孫ががおるんやから
位牌は作るといくら?実は1万円から作れる
(母)そやけど、それやろうと思うたら、また100万くらいかかるがいね?
(私と妹)そんなかからんやろ?
(母)いやいや、位牌作る10万くらいかかる
(私)そんなかからんよ
と言い合いになり、すぐにネットで「位牌、価格」で検索すると
一番安いもので1万円台でネットで購入するサイトが出てきた。
(私)ほら、1万円で作れるやん?
と言うと母はびっくりしながら、もう観念しなくてはいけないという顔
「じゃあ、もう早速作ろうよ」とと乗り気の妹。
(母)でも家に戻らないとお父さんの戒名わからんし
(妹)ほんなら〇〇さんにちょっとウチ入って見てきて貰えばいいやん
(母)そんなんなんて言うて頼むん?
(私)頼まれた人もすごい嫌やろ?「なんで私に頼むん?」ってなるよ。
妹の勢いもここまでで、次は墓石の話に移りました。
(私)お墓も土地と墓石と0から立てるんならそれくらいかかるかもしれんけど、そうでなかったらそんにかからんやろ?
ちゃんと墓石屋さんに聞いたんか?
(母)そんなん聞いとらん
(妹)ほんなら、今度石川に帰ったら石屋さんに聞くわ。
と言うことで墓石の話も、今回はここで終了しました。
話し合いでの決定事項
今回の話し合いでは、
・位牌を作る
・お父さんの骨をお墓に納める
・仏壇やお墓をどうするかは、後を継ぐ妹がどうするかを決める
と言うことが決まりました。
よく考えると、親子3人だけでこれだけ話すのも何年ぶりか思い出せないほど時間が経っていました。
普段は話せないことをしっかりと話せてよかったと思います。
病気をきっかけに話し合えた意味
自分の病気のタイミングでこんな話になったのも、何か意味があることなのではと思い、入院までの1日1日を大切にしていこうと改めて思った1日でした。
これから実家のお墓や仏壇がどうなるのかも、変化があり次第書き残していこうと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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