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食と気候変動や社会問題②


前回の続きです。

まずはこの4年一番学んできた、食と脱炭素(気候変動対策)における、インパクトTOP3です。

①プラントベース化(脱畜産)
②オーガニックや自然栽培、無農薬など環境にやさしい栽培方法をとること(脱農薬)
③ローカル化(脱輸入、サプライチェーンの適正化)

③ローカル化(脱輸入、サプライチェーンの適正化)+フードロスと食料自給率

カーボン・フットプリントという言葉をご存知でしょうか?

CFP(カーボンフットプリント)とは、Carbon Footprint of Productsの略称で、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用し、環境負荷を定量的に算定します。

https://www.cfp-japan.jp/about/

一つの製品やサービスが顧客に届くまでにどれくらいの温室効果ガス(二酸化炭素やメタンなど)を出しているかがわかるのがカーボンフットプリントです。

二酸化炭素排出を細かく見ていくと、大まかに①素材や原材料そのもの、②生産工程、③輸送、④廃棄の4つに分けられます。

このなかの③輸送が、様々な商品がグローバルに流通している現代では温室効果ガスを排出しており、この③輸送にかかる温室効果ガス排出削減のためにはローカルの地産地消が重要になってくるということです。

たとえば海外産の小麦にかかる輸送プロセスを考えてみます。

海外の畑→加工地→倉庫→(船または飛行機)輸出→日本の港→倉庫や製粉工場→問屋→小売店→お客様(一般家庭や商店)

これが国内産小麦だとすると

国内の畑→倉庫や製粉工場→問屋→小売店→お客様

輸送の回数や距離を考えると、ローカルな商品を選ぶことでかなりの輸送とそれに伴う温室効果ガス排出を削減できることがわかります。

もちろん、日本には食料自給率の問題があります。現在日本の食料自給率は38%で、60%以上を輸入に頼っています。ただし、日本の食料廃棄は年間523万トン。その中には、無駄の多い使い方や賞味期限の問題、食べ残しなどが含まれます。
さらに全体の食料のうち、5-10%は食べられるものの廃棄といわれています。わざわざ足りないと輸入してきたものを、10%も捨てているのです。

環境負荷軽減の観点からは、できる限りローカルの食品を選んで生産も増やしていく、それでも足りないものを輸入でまかない無駄なく活用する。このような取組みが重要です。

国内の生産を増やしていく際には、ただ生産量を増やせばいいというわけではなく、前の記事の通り栽培方法にもできる限り考慮が必要です。

ローカルの商品を選択することは環境負荷軽減にとどまらず、ローカルの仕事を増やしていくことや活性化につながるので、コミュニティを強化します。

ちなみにovgo Bakerの100%プラントベースのチョコレートチップクッキーは、①完全プラントベース、②できる限りオーガニックや自然栽培、③できる限り国産、を考慮した結果、市販のバターやたまごを使用したものにくらべて、カーボンフットプリントが80%も削減されていることがわかりました。

カーボンフットプリントやLCAについては、とても面白い分野なのでまたどこかで詳しく書きたいと思います。


以上3つのこと以外にも、食にまつわる環境や社会問題はまだまだあります。

・フードロス(気候変動、食糧問題)
・食料自給率≒フードサプライチェーン(気候変動、食料安全保障)
・海洋汚染や乱獲(気候変動、生態系保護)
・使い捨て容器や梱包(気候変動、海洋汚染)
などなど、、、

書いていて思ったのは、"オーガニック"、 "フードロス"、"使い捨て容器"、"乱獲"などの個別のイシューについては知っていても、それらがどう問題なのかなにを根本的に解決しないといけないのかを知っている人はまだ少ないのではないかなと。
根本のところを理解していないので、どこか手前の問題だけやってるけど、他の問題を助長させていたり、なんだかおかしなことになったりすることがあるんじゃないかなと思います。

つい目の前の問題に目が向きがちですが、
そもそも環境や社会の問題なんて、大きすぎて、今日明日に変わるわけではないのだから、完璧なアクションなんてないし、じっくり本質に向き合いながらトライ・アンド・エラーを繰り返して、地道に取り組んでいくしかないと思っています。


完璧はないけど、他のイシュー解決を邪魔しない。
急ぎながら、焦らない。

このバランスが本当に難しい。
一度バランスがとれたとしても、その状態がずっと続くわけでもない。
基本的にはやらないよりはやった方がいいし、もがきながら前に進むしかないのかあ、と思う毎日です。

あとやっぱり、知ってるので知ってないのではぜんぜん違うと思います。
知ると大変なことも多いですが、めげずになにかいいことにつながると信じて、これからも勉強を続けましょう!



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