③[過去問、一言一句再現] マッキンゼー&カンパニー(McKinsey)の合格解答
(1)はじめに -本Noteの概要-
初めまして、YUKIと申します。
新卒で日系メーカー(約3年)→MBB(約3年)→転職というキャリアを歩んで参りました。
以下の2つの視点から、ケース面接の対策をサポートしております
受験者の視点: McK/BCG/Bain/Kearney/S&の5社からオファーを貰った元受験者の立場から、効果的だったと思う対策を解説
面接官の視点: MBBで実際に+200人の面接を担当した経験から、面接官が何を評価しているのか、どんな人を通過させるのかを解説
本Noteのカバー内容
私自身が内定に至るまでの、マッキンゼーの「4回分」の合格解答を収録しております。
特にMcK第一志望の方には、ぜひ見ていただきたい一冊となっております
公式の模範解答よりも踏み込んだ解答になっており、合格レベルのイメージを手っ取り早く掴んでいただけるよう作成いただしました
お題一覧
「あ、やってしまった→からの挽回」も含め、リアルに再現しております笑
そういう部分含め、合格解答を体感したい方向けのNoteとなります。
推奨対象
ケース面接の基礎的な能力は既に身についており、McK向けに最後のブラッシュアップがしたいという方に適していると考えています。
(ケース初心者の方はいきなりこちらのNoteよりも、本などで全体像を掴み、ある程度鍛錬を積んでいただいてからの方がより学びにはなるかと)
ぜひ他のNoteと合わせて基礎的な力をつけいただいたうえで、本Noteを活用いただけると大変嬉しく思います。
(2)1次面接「製薬企業のM&A戦略」の合格解答
概要
面接時間: 30mins
面接形式: オンライン
面接官の特徴: 無表情で反応を読みにくい、早口。
YUKI自己評価: ★★★☆☆(悪くはないはず)
結果: 通過
Step0: アイスブレーク
(YUKI側の画面投影の準備済)
面接官: 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
YUKI : よろしくお願いします、YUKIと申します。
面接官: ケース面接は初めてですか?
YUKI : いいえ、何度か本番を受けたことはございます。
面接官: そうなんですね、時間も限られているので、早速やって行きましょう。
YUKI : (アイスブレーク短っ)よろしくお願いいたします。ちなみに画面投影はさせていただいてもよろしいでしょうか。
面接官: どうぞ
YUKI : ありがとうございます。よろしくお願いします。
Step1: 構造化問題
面接官: これからお題を発表します。
面接官: 以上がお題となります。
YUKI : (お題長いな…!?)承知いたしました。考える前に数点確認しても良いでしょうか
面接官: どうぞ
YUKI : メモし損ねてしまったのですが、BioFutureの買収額総定額はいくらとおっしゃいましたか?
面接官: 正確には株価総額ですね。約10億ドルです
YUKI : 失礼いたしました。BioFutureの売上・利益はわかってますか?
面接官: まだ売上1億ドルには届いていないそうです。
YUKI : となるとかなりマルチプルが高く設定されてますね。
面接官: 開発済よりも開発中の医薬品への期待が高いようです。
YUKI : 承知いたしました。2-3分考える時間をください。
面接官: どうぞ。
[….思考時間2mins…]
YUKI: 整理できました(以下の画面を見せながら)
YUKI: M&Aに当たり、4つの観点を深ぼる必要があると考えてます。
第1に、「BioFutureの事業の魅力度」です。今後いくらの利益を上げることができるかに言い換えることも可能です。これを開発済医薬品と、開発中医薬品に分けて精査します。
開発済の医薬品については、「市場規模・成長性」「シェア・競争環境」「利益率」といったベーシックな項目を評価すべきです。
開発中の医薬品に関しては不確実性を伴うため、「開発費」「上市可能性」をレンジでも良いので捉えておくべきです。
第2に、「シナジー効果」を見ます。売上シナジー(Global Pharmaの販売網活用でどれだけ売り上げが伸びるか等)とコストシナジー(研究開発費やMRの共通化が可能かを見ていくべきだと思います。2社間にカニバリがどれだけあるかも大事な観点です。
第3に、「単体の利益」「シナジー効果」を踏まえ、評価額の妥当性を確認します。
第4に、M&Aなのでリスクも正しく評価するべきです。コンプライアンスなどに問題がないか、特に薬なので特許問題をクリアできているか等を精査します。
以上が、まず考慮するべき4点だと考えております。
面接官: (間一髪で)医薬品の魅力度をもっと掘り下げて、具体的に教えてください。
YUKI : 承知いたしました。具体的にというのは例えば「成長率」が何で測れるか、どのような指標で評価できるかを申しあげれれば良いのでしょうか?
面接官: はい。
YUKI :(画面を差しつつ、ゆっくりめに考えながら話す)
①市場規模・成長性は、「対象疾患の患者数」「標準治療法」「薬価」に依存すると思います。
②市場シェア・競争環境は、「対象疾患に対する既存医薬品を、BioFutureの医薬品の効能が上まるか」が重要な軸です。
③利益率は、正確にいうと2つの概念で捉えることができ、「開発費用に対する回収費用」および「製造費用に対する薬価」から評価できます。
④上市可能性は、最も重要な軸です。BioFutureの評価は開発中のものが期待されているとのことだったので。重要だけれど、一番正直評価が難しいですね…「類似医薬品の上市成功率のベンチマーク」「BioFutureの研究開発の人材の質」から推し量るしかないのではないでしょうか。
面接官: 良いでしょう。次に行きます
Step2: 計算問題
面接官: (画面を投影し)読んで問題を理解したら教えてください。
YUKI : 承知いたしました。
[….思考時間1mins…]
YUKI : 読みました。1点質問がございます。
面接官: どうぞ
YUKI : 「損益分岐点を計算してほしい」とのことですが、「上市した場合の利益額見込み」および「これまでの開発費用」がわからないと正確には計算できないと思うのですが、こちら仮定の数字はございますか?
面接官: はい。利益額は1.2 Billion USDだそうです。これまでの開発費用はなくても計算できると思いますよ。
YUKI : 失礼しました。計算時間2分ほどいただけますか?
[….思考時間1mins(単式で概算したので実際には2分かからず)…]
YUKI : 計算が完了しました。答えとしては40%ppt改善し、成功率を80%にひき上げる必要があります。立式としては…
面接官: 合っているので、式は説明しなくて大丈夫です。次に行きましょう
YUKI : 承知いたしました。
Step3: ディスカッション
面接官 : 次に、買収後のBioFutureとGlobalPharmのシナジーを見て行きたいと思います。BioFutureの医薬品パイプラインは今は多くはないですが、GlobalPharmaの既存の研究開発資産と組み合わせれば、今後10年間で多くの医薬品候補を生み出すことができるのではないかと、GlobalPharmaは期待しています。BioFutureとGlobalPharmの研究開発機能を統合することの主なリスクについて、あなたの仮説を教えてください。
YUKI : 1点質問ですが、今は多くないとおっしゃった医薬品パイプラインって、研究段階のものを指しているという認識でしょうか。
面接官 : はい、そうです。この研究段階のものをもっと増やせていけるのではないかとGlobalPharmは考えてます。
YUKI : なるほど…少し楽観的すぎるかもしれませんね。一度リスクを批判的に精査したいと思います。考える時間1分ほどいただいても良いですか?
面接官 : はいどうぞ。
[….思考時間1minsで話す枠組みだけ決める…]
YUKI : 今回のM&Aの目的をバイオ医薬品の利益最大化と認識しております。そのためにはM&Aにより候補医薬品数×成功率×医薬品あたりの利益の各項目が本当に伸び売るのかを精査すべきです。最後の項目は大手のスケールメリットが効く可能性が高いので、前の2つのドライバーに着目したいと思います。
(ここから先は考えながら話している)
まず候補医薬品の数ですが、現状のパイプラインはかなり限定的とのことなので、持続的な収益性のためには、パイプラインの数を増やすことができるかはかなり重要だと思います。今のパイプライン数はおそらくBioFuture側の「ケイパビリティ」もしくは「人的・金銭的リソース」に制限されています。
もし後者が理由であれば、GlobalPharmaのリソース投下により研究開発が加速する可能性はあります。
一方で前者が理由、つまりBioFutureがバイオ医薬品の中でも特定領域のケイパビリティしか持っていないことが原因だとすると、M&Aによるシナジーは大きくは期待できないことになります。
同様に、成功率を上げる要因を分けると、そもそも「化合物自体の”確らしさ”が高く」その上で「その”確らしさ”を証明する治験などに費用をかけられる」の2段階あると考えてます。後者であればGlobalPharmが助けられますが、後者であれば根本的に課題を解決するのは難しいと考えます。
R&Dチームや予算を合体することで、改善する課題と改善が難しい課題があると考えてます。どちらが根本的なボトルネックかを見極めない限り、シナジーがあるとは言い切れないと考えております。
面接官 : なるほど、ありがとうございます。ちなみに「改善可能」「改善不可能=維持」で考えていただきましたが、むしろ「悪化」してしまうリスクはないですか
YUKI : そうですね…。数も成功率も、意思決定の柔軟性・スピードに大きく依存すると思います。スタートアップとしてその辺り確保していたはずが、大手製薬会社のR&Dチームと合わせてしまうと、足を引っ張られる可能性もあります。
面接官 : そうですね。冒頭でクライアントは①自社開発、②スタートアップとの提携、③スタートアップの買収のどれがいいか迷っていると申しあげましたが、どれがいいと思いますか?
YUKI : 仮説としては連携が一番リスクとリターンのバランスが良いと思います。試験的に資金的な援助のみして、BioFutureがパイプラインをどれだけ伸ばすことができるか見た後で買収するかどうか決めても良いと思います。
面接官 : わかりました。ありがとうございます。以上でケース面接は終わりにしたいと思います
YUKI :(唐突だ…②が良いことを証明しきれていない気がするが…)ありがとうございました。
面接官 : 時間5分くらい余っているのですが、何か逆質問はありますか?
YUKI : そうですね…。医薬品の成功率って実際外からどのように評価できるものなのでしょうか。かなり難しいなと思ったのですが…
面接官 : それはですね… [残り5分のマシンガントーク 。内容は忘れました笑]
YUKI : なるほど。勉強になりました。ありがとうございます。
面接官 : おっしゃる通り難しいと思います。お疲れ様です。
反省(良かった点・改善点)
全体を通して最重要論点を捉え、構造化・計算といった基礎力を証明できた回だったかと認識しております。
当時の振り返りノートを見たところ、「面接官が本当に結論に納得したのかがわからず通過できたか不安」と書いてありました笑
一人で紙の上で作った解答としては悪くないのですが、より面接官とのコミュニケーションの密度を上げられたらより評価の高い回になったかとは思います。
(3)2次面接「ファーストフードチェーンのオペレーション改善」の合格解答
概要
面接時間: 30mins
面接形式: オンライン
面接官の特徴: ややドライな男性面接官
YUKI自己評価: ★★☆☆☆(落ちたかも…)
結果: 通過
Step0: アイスブレーク
(YUKI側の画面投影の準備済)
面接官: どうぞよろしくお願いいたします。面接官のxxです。普段はxxのようなケースに携わっております。
YUKI : よろしくお願いします、YUKIと申します。現職ではxxをやっており、xxというモチベーションでコンサルを受けました。
面接官: 中でもマッキンゼーを志望している理由はありますか?
YUKI : xxxxxxですね。
面接官: なるほど、理解いたしました。それでは2次面接を進めていきましょうか。
YUKI : はい、よろしくお願いいたします!
Step1: 構造化問題
面接官: お題を発表します。
YUKI : (1次より短いし、取り組みやすそう…)承知いたしました。考える前に数点確認しても良いでしょうか
面接官: どうぞ
YUKI : まず初めにParty Burgerのサービス形態を理解させていただきたいと思っております。「ランチ」を提供していると仰っていただきましたが、営業時間はどうなっていますか
面接官: 12-15時のお昼の時間でのみオペレーションしてます。
YUKI : チェーン店とのことですが、店舗数や地域の分布はどうなってますか。レビューがお店によってばらつきがあるかも気になります。
面接官: アメリカのチェーン店になり、主要都市にばらついて10店舗あります。(※レビューのばらつきには触れない)
YUKI : なるほど、となるとマクドナルドのような大手ではなく、新興もしくは小規模のチェーンをイメージするのが良さそうですね。開業新しいチェーンでしょうか?
面接官: はい、そうです。元々地元に愛される個人バーガー店を、チェーン化して5年ほどと聞いてます。
YUKI : ありがとうございます。イメージが掴めたので、2分考える時間をいただければと思います。
面接官: どうぞ。
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