【妙高高原おてつたび】非日常の日常を味わう
▪️おてつたび概要
非日常に浸りたい…
東京で社会人をしていると2週間に一回位、そういった非日常欲が込み上げる。
そんな時に利用するのがおてつたびというサービス。
旅行に求めるものは人それぞれだと思うが、
私の場合には非日常だ。
おてつたびは、「お手伝いをしながら旅をする」サービスであり、非日常を求める私にうってつけだ。
利用者は学生が多いと聞くけれど、現実逃避したい社会人におすすめのサービス。
(体力がある場合に限る)
今回のおてつたびはざっと以下の通り
・期間 2022年 4/30 - 5/4(5/2休み)
・場所 新潟県妙高高原にある蕎麦屋
・仕事 食器洗浄、接客等
結論、今回のおてつたびは最高だった。
▪️おてつたび仕事
3日間は内仕事で食器洗浄やホールが中心。
2日目まででいくつか仕事を覚えたので、3日目は全体を見てボトルネックになっている場所にヘルプで入るようにしていた。
これが中々ゲーム感覚で面白かった。
スタッフの方はみんな優しく連帯感があって、働きやすい雰囲気だった。
驚いたのが、働く高校生の人間性の高さだ。
仕事ができるのは勿論、不慣れなおてつたび参加者に対する気遣いも忘れない。
今まで高校生と働いた経験がなかったため、働くということが人間性にもたらす影響の大きさに驚いた。田舎で擦れていなかっただけかもしれないけれど…。
4日目からは外仕事に配置換えされた。
声が通るからというのが理由だったが、色んな仕事をしてみたかった私としては願ったり叶ったりだ。
そしてこの仕事がこれまた楽しい。
売るものは、筍を使った食事ものや焼き団子、店内で販売するソフトクリームなど様々だ。
まず人通りが増えたら声がけをする。
これが予想外にみんな振り向く。気分的には笛を吹くオリマーだ。
次に客層や時間帯に合わせたものを声がけする。すると、これまた予想外にみんな寄ってきてくれる。ピクミンさながらだ。
あとは、列を見ながら薦めるものの調整をしたり、買ってくれる人と楽しく話していた。
後気にしたことといえば、あまり「いらっしゃいませ」を言わないようにしていた。自分が接客で言われると変に構えてしまうからだ。代わりに、何か買ってもらったり、ゴミを捨ててもらったりしたら、その人に向けてはっきりと「ありがとうございます」というようにしていた。
すると、みなさんからお礼の言葉を多くいただいた。普段は、机の前で数字に向かいあっている私からすると、とても新鮮で嬉しく得難い体験だった。
どの取り組みが功を奏したのか分からないが、私が外仕事に入った際に売上がかなり伸びたらしく、繁盛期の度に来てほしいと打診いただいた。それは困るが年に一回くらいならいいかもしれない。
あと、これが最高だった理由の7割を占めるが…
「まかない」がとにかく私好みだった。
3食まかないだが、山菜と米がとにかく美味しい。蕗の薹やこごみなど東京だと手が出にくいものも食べ放題だ。出汁が美味しいからかどのおかずも美味しく、ただでさえ美味しい米や蕎麦が更に進む。
他のおてつたび参加者は飽きたと言っていたが、私は後1ヶ月はこの食事を続けたいと思っていた。
▪️おてつたび観光
おてつたびのもうひとつの楽しみは観光だ。
今回の受入先は、ありがたいことに車を貸してくれた。そのおかげで、終わった後に温泉や滝に行ったり美味しいものを食べに行ったりと、仕事終わりも満喫できた。
またフリーの日は、存分に観光を楽しんだ。
到着日に長野駅で電動シェアサイクルの無料キャンペーンののぼりが立っているのを見て、フリーの日にはこれを利用しようと決めていた。
当日の朝ざっくりプランを決めた。
・朝一 善光寺の御開帳を見に行く
・午前 川中島跡地、松代を回る
・午後 小布施で観光しつつ栗食べる
自転車だけで60k超えの充実プランである。
09:30から16:20までレンタルサイクルを使い倒した。観光客をターゲットにした実証実験だったらしいが、おそらく異常値。
善光寺の御開帳は朝一にも関わらずディズニーさながらの混み具合だった。冷やかしで行くものではない。
おみくじだけ引いて早々に退散。ただ空気感を味わえたので良かった。
川中島跡地と松代は天気に恵まれ、歴史に疎い私でも景色も良く建物を回るだけで楽しめた。
もちろん、予習しておけばより良かったとは思うが、当日朝に決めたのだから仕方がない。
ここからが大変だった。小布施まではほんのり小雨だった上に、スマホ残量が20%を切っている。
地図を見ながらひた走り何とか到着。すると目当ての店は30分待ち。返却時間まで残り2時間。片道20k弱。中々シビアな状況だ。
目当てのあんみつなら10分もあれば食べられると高を括っていると予想を大きく裏切られた。
まず案内された席がとても良い。素敵な中庭を見渡せる。これは長居したくなる。
次にあんみつ。観光地価格じゃない大きさだ。加えてゆっくり味わえる様に小さめのスプーン。分かり過ぎている。
味もこれまた美味しくて、サイクリングで疲れた身体に染み渡る。気付けば20分以上かけてしっかり味わっていた。
いよいよ帰りは少しのロスも許されない状況だ。
結局、待ち時間で地図上のポイントを記憶して、ほぼ地図を見返すことなくひた走った。返却時間の10分前には返すことができたものの、中々の綱渡りだった。
▪️おてつたびを終えて
色々と書ききれないことも多いが、総じて満足した旅であった。その数日は、仕事のことも忘れてデジタルデトックスもできた。身体は疲れたが、メンタルは単なる旅行以上にリフレッシュすることができた。またひとつ思い出の地が増えたことも嬉しい。
非現実に浸りたい社会人には、ぜひおてつたびをおすすめしたい。もちろん、体に無理のない範囲で。