唇が嫌いな君|連載|女子のコンプレックスは武器になることを写真で伝えたい!|第2回
Girl's Complex | case 1 |ゆうかさんの場合
第1回はこちら
https://note.mu/yukiao/n/n7627cbc21a39
今回から、実際に女の子に「自分のコンプレックス」について取材してきましたので、本音をのぞいてみましょう!
撮影前・撮影中・撮影後
に分けて、聞いています!
Girl's Complex 1 | 唇が嫌いな君を、撮る
話し手:ゆうかさん(大学生) 聞き手:青山 裕企(写真家)
撮影前インタビュー 【自分のことは好き?】
――コンプレックスについて、話を聞きたいと思います。早速ですが、自分のことは好きですか?
「いやー、もともと別にあんまり好きじゃないです」
――あんまり好きじゃない?! 自撮りとかはする?
「自撮り、一人で写るとかはあんまりしないです……たまにくらい、本当に。まったくじゃないけど、たくさんはしないですね」
――たまにする時って、どういう時にするの?
「たまに、化粧がうまくいったとか」
――ちょっといい感じの時に、それを撮っておこうと。
「残しておこうって(笑)」
――それはなんか、SNSとかにアップするとかじゃなくて?
「自分の中で。完結してますね」
――なるほどね、そっか。なんか、自分の顔の中で嫌いなところってあります?
「顔であんまり好きじゃないところはたくさんあるけど、なんだろう、よくばりみたいに思われるかもしれないですけど、あんま唇が好きじゃないです」
――唇が?
「自分では、あんまり好きじゃないかもしれないです」
――唇の中でいうと、たとえば色とか、厚さとか……
「形と……」
――形!
「……厚さとか、そういう感じですね。なんか上唇が薄いから、子供っぽくて。昔は別に気にしたことなかったんですけど、今になって、子供っぽく見えるのかなって」
――子供っぽく見られたくはないの?
「なんか、一応成人してから、こういうところでは得しているのかなって思うんですけど」
――撮られる時とか。
「そうそう。ですけど、普通に生活してて、やっぱり幼く見られがちで、色気がないねとかってめっちゃ言われるから、それは最近めちゃくちゃ気にしてはいます」
――大人っぽく思われたい?
「思われたい時もあります」
――前はなかった?
「あんま別に気にしたことがなかったんで。高校生の時とかは別にはっちゃけていればいいじゃん、みたいな感じだったんですけど」
――高校生の時は、あくまで想像ですけど、自分のことを結構かわいい、いけてると思ってたんですよね?
「わりと自分では好きだったんですけど……楽しくやってたんで」
――だから、大人になる年齢になって、人から言われることに対して……
「いろいろ考え始めました」
――要するに幼くも見えるし、大人っぽくも見える世代になってきているわけだよね。
「そうなんです」
聞いてみて思ったこと(青山裕企)
自撮りを発信しない子って、意外と多いんですよね。してても、自分の中だけで完結している。鏡を見るだけじゃなく、自撮りできるようになって、より自分のコンプレックスについて、自覚的になってきているかもしれません。鏡の前だと、瞬間で顔を作れたりするけど、写真に写った顔は、人から見た自分だったり、本当の自分に近く見えるので。自撮りはそんななかで、盛っていくことによって承認欲求を満たす(発信して、いいね!もらって……)わけですが、自撮りした自分を見て、自分なんて……とか、ここが嫌いだなーとか、ネガティブなコンプレックス・スパイラルに陥る子は、とても多いでしょうね。
あと、世代にもよると思うのですが、幼く見られたいか、大人っぽく見られたいか、という見られたい方向性があって、色気がないことをコンプレックスにしている子も、案外多いんだなと改めて思いました。特に20代後半以降になってくると、ただ若いだけでちやほやされなくなってくるので、大人の色気的なものに対して、向き合えていけるかって、大切なテーマのひとつになってくるのかもしれませんね。
撮影中コミュニケーション 【唇が嫌いな君を、撮る】
モデル:ゆうかさん(大学生) カメラマン:青山 裕企(写真家)
――唇に関して言うと、ちょっと笑うと印象が変わりますよね。
「そう。笑うと、上が薄くなっちゃう」
――まずは、横から撮ります。横顔とか、どうですか? 別に気にならない?
「横顔が、別に綺麗だと思ったことはないです」
――横顔が嫌いっていう子も、本当に多いんですよね。
――とても素敵です。唇も、全然気にならないですけどね。
撮ってみて思ったこと(青山裕企)
唇って、確かにセクシーさを表現するときに、よく用いられるんですね。キスなどを想起させることもできますし。石原さとみさんとか、ポテッとした厚みのある唇のほうが、セクシーって言われます。厚く見せるためのメイク術もありますし、プルっと水っぽく見せるメイクもありますよね。今回は、窓の前で撮影して、唇に光を当てるようにしました。唇を光らせる、それは唇に目がいきやすくするということで、先ほどのプルっと感を出すこともできます。はっきり言って、例えば男性が女性を見て「この子は唇が薄くて、可愛くないなー」なんて思う人はいないんです。そして、大人っぽさは唇だけじゃなくて、服装やメイク、そして表情や声色など、様々な要因があるのです。でも、唇は顔の中心的なパーツなので、中心的であればあるほど、コンプレックスは根深くもなりやすいですね。
ゆうかさんの撮影とインタビューは、続きます!
次回を、お楽しみに!