「獣身を成して後に人心を養う」 福澤諭吉 家庭教育のすすめ
こんにちは。マタニティリープ主宰の渡辺有貴です。本当は本を読むのが好きなのですが、日々子供のことや仕事をしていると、読書が後回しになる傾向があります。ここ10年の3回の妊娠期間中に、猛烈に漫画や子供の本などを読んでいたのを思い出します。4年ごとの妊娠出産を繰り返していたので、妊婦期間中は自分のしたいことをやるのだ!という気持ちで、漫画や本を濫読していたのでした。2年前の3番目の子の妊娠中は、長男が囲碁と将棋に取り組んでいたので、「ヒカルの碁」と「3月のライオン」を読んでいました。未だにルールや駒の進め方はよくわかりませんが、業界については詳しくなりました。(笑)
3月のライオン 羽海野 チカ
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ヒカルの碁 小畑 健
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図書館にも通って自分では選ばないだろう育児書も手にとって読んでみていました。この時、長男7歳(2年生)、次男3歳(年少)。ちょっとずつ勉強と生きる力がどんな風につながっているのかなぁという問いが生まれてきていて、その中で手にしたのがこの本です。
「新版 福澤諭吉 家庭教育のすすめ」渡辺 徳三郎 (著)
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慶應義塾幼稚舎元舎長の方が福澤諭吉の子育て観について紐解いてくれているものなのですが、その中に私が今も大事にし続けているくだりがあります。それが今回つけたタイトルの「獣身を成して後に人心を養う」という言葉です。「獣身」とは獣の身体、健康こそが独立の基本であり、読み書きは7、8歳をすぎてから始めるのが良いということです。
初めての子供には早期教育や英語、文字の学習など、どうしても早め早めに勉強をという気持ちになりがちです。長男も幼稚園の頃から好きだった恐竜からカタカナ、相撲から漢字を覚えていったのですが、なんとなく早めに覚えた方がいいよねという親心があったように思います。
次男はというと、現在年長ですが、全くと言っていいほど勉強的なものをさせていません。その代わりに体を使うこと、遊びの中で自分の体の様々な動きや限界を楽しんでいけることが日々のプライオリティ#1となっています。
獣身を養う時期
長男がスポーツ少年団で野球をやっているので、去年の末に認定員の養成講座に参加してきました。その中で「ゴールデンエイジ」という一生の中で運動やスポーツに関する大切な期間があることを知りました。5、6歳から8歳ごろまでは「プレ・ゴールデンエイジ」といって、超土台を作る時期となるそうです。スキャモンの発育曲線によると、巧みさやスムースさや流れを司る神経系は8歳にはもう90%が完成してしまうということで、こうした神経系などを求めるスポーツはそれ以前に慣れ親しんでいる必要があるということでした。例えば一輪車などはそのカテゴリーに入ります。この時期の神経系の発達期には神経細胞やシナプスの発達による神経回路の形成が盛んに行われるため、運動による筋肉からの刺激によっても発達が促されるそうです。
うちの次男はこの時期真っ只中。自転車やスケボー、サッカーや野球、ボルダリングに相撲などやりたいことがあれば、やらせてあげたいと思っています。
ゴールデンエイジ
ゴールデンエイジとは9歳から12歳ごろまでで、体の動きをコントロールし始められる時期です。(うちの長男は今この時期に入りました。)「即座の習得」すなわち「見てすぐできる」、「1回やったらできる」ため、動きの習得には最高の時期で、この時期に覚えた動きは一生忘れないそうです。私もこの時期にスキーをかなりやっていたので、その感覚はあります。この時期はスポーツにつながる遊びやゲームをたくさんしたり、様々なスポーツの種目を経験するというのが大事になります。ただ、そのためにはベースの動きが獲得されているというのがポイントで、だからこそ、その前の期間のプレ・ゴールデンエイジの時期(5歳から8歳)が肝となるわけです。
ちょっと横道にずれましたが、「獣身を成して後に人心を養う」。7、8歳ぐらいまでは数や言葉の勉強よりも体を養うことを第一にする。そのことが子供の一生の運動感覚や体のベースにつながるのではないかと日々感じています。それが、生きる力のある子になって、いずれは自分の元から離れていく子供の力になるのではないかと思っています。だから幼稚園保育園時代は体を動かしたり、遊んだり、興味のあることに体ごとぶつかって行くこと、そして小学校に入っていったら徐々に勉強に慣れて行く、そのぐらいがちょうどいいのではないかなと感じています。
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