「平地・障害重賞を両方制覇した馬」が、最近アツい
タイトルの通りです。というのも、昨年の中山大障害をニシノデイジー号が勝ったのですが、平地重賞勝ち馬が障害G1を制覇するのは、なんと1999年の中山大障害勝ち馬、ゴッドスピード以来らしい。
調べても最近の話をしているブログが無いので、最新版(2023年4月現在)としてまとめておきます。
ただし、戦後のデータです。オーシス・キヨクジツについては語りません…。
せっかくなので、新しい順にしようかな?
(※障害重賞初制覇が新しい順)
①ニシノデイジー
平地:札幌2歳S(2018)、東京スポーツ杯2歳S(2018)
障害:中山大障害(2022)
他にも、ホープフルS 3着や東京優駿5着の成績を残しており、東京優駿で掲示板に載った後、障害レースを勝利、並びに障害重賞を勝ったのは1986年以降ではこの馬が初めてらしいです。
ここに障害勝ち鞍を今後書き加えられると嬉しいですね。
②アサクサゲンキ
平地:小倉2歳S(2017)
障害:小倉サマーJ(2021・2022)
超小倉巧者。平地重賞を優勝した競馬場で障害重賞も優勝したのは、1986年以降カネトシガバナー以来2頭目。小倉2歳Sでは武豊騎手が乗っていました。
③タガノエスプレッソ
平地:デイリー杯2歳S(2014)
障害:阪神JS(2020)、京都JS(2020)、京都ハイJ(2022)
中央重賞優勝間隔2135日 という過去最長記録を達成した馬。次点ではダンスインザモア、マカヒキ、ジャンダルムなどが続きます。
④メドウラーク
平地:七夕賞(2018)
障害:阪神JS(2019)
タガノエスプレッソさん、更にはアサクサゲンキさんが1回目に平地重賞を勝ってから2回目に障害重賞を勝つまでの間に、メドウラークくんは平地重賞と障害重賞を両方勝ってしまいました。
ちなみにオジュウチョウサンと同期。
⑤ ソロル
平地:マーチS(2014)
障害:小倉サマーJ(2017)
平地のダート重賞と障害レースの両制覇は後にも先にもこの馬だけ。ダートならダートだけで何年も走らせちゃうものね。
新馬戦では芝で1番手入線も、降着となってしまい、その後はダート戦線に。降着がなければ、こんな記録生まれなかったかも?奇妙な運命の歯車の噛み合わせ。
⑥ エーシンホワイティ
平地:ファルコンS(2010)
障害:新潟JS(2014)
昔はエイシンとエーシンで区別しており、エイシンは父平井豊光さん、エーシンは息子の平井宏承の所有馬でした。2010年に栄進堂として初ダービー制覇をしたエイシンフラッシュと、奇しくも誕生日が全く同じ(2007/03/27)
⑦ ケイアイドウソジン
平地:ダイヤモンドS(2012)
障害:阪神スプリングJ(2014)
出ましたケイアイドウソジン、ダイヤモンドS単勝190倍。メドウラークの七夕賞も単勝100倍超ですが、この中では一番の波乱の主かな?
⑧ カネトシガバナー
平地:神戸新聞杯(1998)、愛知杯(1998)
障害:東京ハイJ(2001)、阪神スプリングJ(2003)
1986年以降、平地重賞を優勝した競馬場で障害重賞も優勝した初めての馬。獲得賞金が約3億6000万で、次に語るゴッドスピードに並ぶトップクラス。
神戸新聞杯の秋山真一郎騎手、阪神スプリングJで騎乗した小坂忠士騎手はともに当馬で重賞初制覇。
⑨ ゴッドスピード
平地:小倉3歳S(1996)、府中3歳S(1996)
障害:阪神障害S(春)(1998)、京都大障害(春)(1998)中山大障害(1999)
1998年はグレード制導入前の旧体系で行われた障害レース最後の年。
1999年からは、阪神障害S(春)は阪神スプリングJ、京都大障害(春)は京都ジャンプSに(※2009年に京都JSと京都HJの時期が入れ替わったので間違いじゃないです)。
ニシノデイジーの前で唯一、平地重賞勝ち馬が障害G1を制覇した例ですが、勝ち鞍が似てますね。
⑩ シンホリスキー
平地:きさらぎ賞(1991)、スプリングS(1991)
障害:中京障害S(春)(1994)
タガノエスプレッソ、ニシノデイジーと同じくクラシック三冠競走を皆勤した馬。ちなみにシンホリスキーが中京障害Sを勝った時の馬体重564kgは、障害重賞勝ち馬で最重量。
⑪ナムラモノノフ
平地:阪神大賞典(1989)
障害:京都大障害(春)(1991)
阪神大賞典、京都大障害で騎乗していたのは共に岡冨俊一騎手。平地重賞と障害重賞優勝時の鞍上が同じだったのはナムラモノノフのみ。
岡冨俊一騎手は1984年のオークス(トウカイローマン)を勝っており、このトウカイローマンといえば武豊騎手が初めて重賞を勝った馬。
⑫ メジロワース
平地:マイラーズC(1990)
障害:中京障害S(秋)(1990・1991)、中京障害S(春)(1991)
障害競走の連続3着以内記録15回という大記録を持つメジロワース。使ったレースは違うものの、オジュウチョウサンの記録も(平地を挟み)これに並ぶ15回です。
マイラーズカップから中京障害Sまでの期間は202日で、中央平地重賞~障害重賞の優勝間隔では現在最短の逆タガノエスプレッソ。
また、中京競馬場での6勝は最多勝。
先ほどのナムラモノノフが勝った京都大障害の2着馬がメジロワースでした。
⑬ ダテハクタカ
平地:阪神大賞典(1966)
障害:阪神障害S(春)(1972)
ここからは古いデータの馬になります。
ダテハクタカは、菊花賞で20番人気3着(21頭中)となり頭角を現した馬。
阪神障害Sを勝ったのちに中山大障害に挑み、1人気に支持されるものの、パドックに向かう途中何者かに硫酸をかけられてしまい除外に (ダテハクタカ事件)。その後成績が低迷してしまいます。
この事件がなければ、グレード制導入前と言えど、ゴッドスピードやニシノデイジーに並べて語られていたかもしれませんね…。
⑭ タイシユウ
平地:きさらぎ賞(1966)
障害:京都大障害・春(1968)
きさらぎ賞はオグリキャップの調教師としてもしられる瀬戸口勉騎手が騎乗。彼は障害レースでも好成績を残しているのですが、タイシユウの障害戦には乗らなかったのですね。
代わりに、当時の障害最多勝を記録した松田博資騎手や、西谷誠騎手の父、西谷達男騎手が騎乗しています。
⑮ ダイニカツフジ
平地:朝日チャレンジC(1953)
障害:京都大障害・秋(1955)
平地で12勝、障害で24勝をあげており、JRA所属馬ではおそらく最多勝記録をもっています。
コイワヰという1911年デビューの馬が45勝記録を持っていますが、流石に1923年の旧競馬法制定以前は管轄外でしょう。
母の千鳥甲が障害界の名繁殖牝馬で、半妹に1957年の中山大障害を勝ったヤマカブト、1958年の中山大障害を春秋で連覇したケニイモアなど。
1957年の中山大障害はダイニカツフジとヤマカブトの兄妹対決だったのですが、ダイニカツフジは4着に敗れます。
ユウミロク産駒の、ゴーカイ・ユウフヨウホウ・マイネルユニバースのようなものでしょうか
こちらは2001年の中山大障害で兄弟ワンツー(1着ユウフヨウホウ、2着ゴーカイ)という歴史に残る記録を打ち立てています。
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