LGBTQの「Q」の居場所
僕はLGBTのT。女から男に性別を変えて生活をしているFTMトランスジェンダー。42歳 鈴木優希。
仕事は地元名古屋で同じFTMを主に雇用したBAR Venusを経営して16年が経つ。
9月16日に新しい店舗 JIRO'S「ジローズ」をオープンする。
店長には11年Venusで僕と共に働いてくれた子を採用した。
LGBTQのQとは?
実際にこれまで1000人ほどの当事者の話を聞いてきて、このQという存在に対して、僕が感じたのは【枠がない】ということ。
そして、その感覚は同性愛やトランスジェンダーというよりももっと複雑化している。
例えば、
「男の子の格好だけがしたいだけで、気持ちは女であり恋愛対象も男」である男装趣味の子であったり
「女の身体ではなく、身体を変えて男になりたいけど、男として男が好き」なナベホモと言われる子だったり。
そして最近多いのが、「自分でも性別がよくわからない」という子たち。
身体を変えるつもりはない。
男にも女にも性的な興味がわかない。
男の格好をしたいときもあるけど、女の格好をしたいときもある。
朝起きた時に、その日の性別を変える。
なんて子も居て、
同じLGBT当事者の枠の僕から見ても「?」になってしまう話も正直多い。
話を聞いても、その子たちの気持ちはわかってあげられないのだけど、自分らしく生きればいい。その一言に尽きると僕は思っている。
セクシャリティ、趣味嗜好はその子の個性であり、誰にも否定の出来ないこと。
正直、何でもいいじゃん^_^ が本音であり、セクシャリティではなく大切なのは人として。
今回新店舗の店長を任せる子も実は、FTMではあるが、男として男が好きな「FTMゲイ」である。
今の僕の店だとオナベバーがゆえに、来ていただくお客様にもオナベ(FTM)=女が好きという概念があるがゆえ、これまたFTMとしては、なかなか「男が好き」と言えない。
自分らしく生きたくてVenusに来たのに、女の子を好きなフリをしたり...なんだか複雑なポジションであった。
Qの居場所。
そんな経緯もあり、今回の系列店出店のテーマはLGBT
Qに優しい店。
多様化するセクシャリティの受け皿は多い方が良いし、そうでないと受け止めることは難しい。
店長はじめ、働く側はもちろんだがお客様にも優しい店づくりを心がけた。
今回はお客様に気軽に来て欲しいという想いから、「大人の喫茶店」「真夜中の喫茶店」をテーマに店作りをした
60分飲み放題歌い放題3980円。無制限7980円
これは、この街、錦三丁目では破壊な値段である。
そして今回「紹介制」にしたのはトラブルを防ぐ為。安かろう悪かろうでは意味がない。
お客様に安心して飲んで頂ける空間にする為にこのようなシステムにした。
働いてくれるスタッフと来てくださるお客様を守るのが僕の仕事だ。
ただし、居場所は利益が無ければ「維持」出来ない。
きれいごとではいかない商売の厳しさがあり、店長とともに日々悩み、奔走している。
人との出逢いは、人生に彩りをくれる。
僕はこの仕事を23年やってきて、それを知っている。
次の店舗でも沢山の人が出逢い、繋がっていって欲しいと願う!
そしてどんなセクシャリティのスタッフでも自分らしく、そしてカッコよく働ける場所になれ!
その気持ちで今日も準備に明け暮れる。
新たな一歩。挑戦あるのみ。
2022.7.19(火)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第10回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!