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【保育の場から】元気出してね
もうだいぶ前の話になってしまったのだけど、自分のための素敵な思い出の覚書として書こうと思う。
一時保育室にて。
加湿器を使用している時期のこと。
その頃、大きな加湿器から出てくる風に風船を浮かべて遊ぶことが、ちょっとしたブームになっていました。
その日も浮かべてみたのだけど、室内の湿度が足りていたようで加湿器から出てくる風が弱かった。
浮かべても風船が高く昇らずに、ふわーんと落ちてしまう。
それを見ていた1歳の子が「あれぇー?」と残念そう。
もう1回やって!の意味で「ん!」と人差し指を立ててくる。
でもやっぱり落ちてくる風船。
なんて説明するか迷いながら
「今ね、加湿器さんがちょっと元気なくってさ、風が弱いのよね」。
神妙な顔でそれを聞いていた1歳さん、うーん…と唇を突き出しながら考えて
「あっ!」とひらめいたように人差し指を立て、持っていたおままごと用のバッグに入っていたおもちゃのナスを取り出して、加湿器に「はい」。
一瞬、どゆこと?と考えて
「あっ!加湿器さんにごはんあげてるのか!
ごはんあげたら元気になると思ったのね!」と言うと
1歳さんはにっこり。
え、震えるほど可愛いんですけど…!!
と思いながらも、平静を装いつつ
「よーし、元気になったかな!もう1回やってみよう!」
だけどまだ加湿器さんは元気がありません。
もう一度考える1歳さん。
「…あっ!」とひらめき、またおままごとの袋をがさごそ。
今度はおもちゃの魚を取り出して「はい!」と加湿器さんに。
ナスじゃなくてお魚なら元気になるかなと思ったんだね。
結局、換気もかねて窓をしばらく開けておくと、また加湿器さんが元気を取り戻し復活。
高く舞い上がる風船を見て、キャーキャーと喜ぶ子どもたちを見て、じわじわと幸せを感じました。
子どもって、きっと基本的には、賢くって優しいのですね。
それをみんなが健やかに伸ばしていける社会でありますようにと思ってしまう。