キャラクター性の再現と衣装の相関【すえひろがり】における骨格診断理論
まえがき
2023年09月17日~24日に開催された「ミュージカル刀剣乱舞 ㊇ 乱舞野外祭」(以降「すえひろがり」と表記します)。
気付いたらディレイ配信期間が終わってしまいました。絶賛ロス中です。
私が参加した公演は20日の小狐丸ゲスト回。
基本的に、自分が公演に行ける場合は、当日まで情報をシャットアウトし、配信も見ないようにしているので、
当日の「キミの詩」がドッキリだったことや、細かい日替わりがあったことなど全く知らず、後でTLに流れてきてびっくりしました。
あと関係者席映るの面白すぎる。最初なにごとかと思いました。
(ロクマチで死ぬほど見た)佐藤流司さんの顔で割とすぐ「アッ関係者席か!」と分かったんですけど、いや、今までこんなことなかったですよね……?
私の席は中央の前から2つめのブロックで、「Free Style」や「To the North」のラストでキャストと相対する位置取りでした。
サブステやクレーンは遠かったものの、目の前の通路に刀剣男士や歴史人物が来るわ通るわ踊るわ、全体は見渡せるわで、結構良いお席でした。ありがとう会員先行。
あとはアレですね、ファンサ。記憶がちょっと朧気なのですが、中盤のトロッコで江オンリーになるやつ。あの時に五月雨江から、うちわ(くそデカ「江」一文字のうちわ)指差しのファンサいただいてしまいました。可愛い。かっこいい。好きだ……。
「To the North」では榎本さんが目の前に来てくれたので、めっちゃ見つめてましたね。目は合った。合計5秒くらい。たぶん。
感想はまた後日、別記事にまとめます。江箱推しなので、割とそっちメインの感想になるかもです。
本当はエーステ夏単の記事を書き進めていたところなのですが、大体の構想が完成し、資料集め(画像集めとも言う)をしていたところに
すえひろがりにおける衣装とキャラクター性、俳優さん自身の骨格タイプについてどうしても書きたくなってしまい、順番が前後しました。
夏組の記事が書き上がる頃にはもう秋単始まってそうだな……
(今回は東京・東京凱旋それぞれ1回ずつ取れたので一安心)
とはいえ、出演者さん全員について書いていくとまた記事がアップできなくなってしまうので、
今回は「キャラクター性の再現」と「骨格診断理論」の視点から、
私自身が「これは……!」と思った2名について、記していきます。
①物吉貞宗役 横田龍儀さん
まずは一人目、物吉くん役の横田さんです。
横田さんはエーステ春単の記事でも記載した通り、骨格タイプはウェーブです。
実は記事を公開した後も、合ってるかどうか不安になり、色々と情報や画像を追っていたのですが、今回のすえひろがりにて確信を持つことができました。
物吉くんの衣装で私が感心したポイントは主に3点。
(1)ハーフパンツの丈
骨格ウェーブとハーフパンツの相性は正直良くありません。
これは教本にも記載してあることなのですが、ウェーブタイプはハーフパンツを履くとどうしても子供っぽい印象になってしまうのです。
子供っぽい、って、普通に考えるとマイナスポイントです。若々しい、とは違います。ぶっちゃけ悪口です。
ですが、これを逆に利用しているのがミュの衣装だと思っています。
演じる役者さんは大人の方ですし、とはいえ原作の物吉君は、年若い、少年らしさのあるキャラクターデザインとなっています。
通常であれば「子供っぽくなってしまうから避けられる」ハーフパンツを、上手いこと「少年性のアピール」に使うことができるのです。
(2)シュシュ(足し算スタイル)
実はこの点に関しては色々と前提条件、というか情報が必要で……。
某所にて「両手のシュシュは華奢見せ」という意見をチラッと拝見したのですが、骨格診断をやっている人間からすると「必ずしもそうではない」ことは明白です。
ウェーブは足し算スタイルがとても得意です。
華奢でなだらかな特徴のある身体で、自身の身体における主張やインパクトが少なく、華やかに飾り立てることでカバーができるからです。
だから、両手首にシュシュをつけていても全くうるさくなく、プラスに働くのです。
(運営側の意図はともかく)誰でも華奢に見せることができるのではなく、横田さんがウェーブタイプだからこそ、「良いアクセント」になったのです。
また、少年性や可愛らしさのアピールにもなりますね。
この因果関係、因果の順番は大変重要です。
「両手にシュシュをつけることで華奢に見せることができる」
↓
「だから物吉くんのシュシュは華奢アピール」
ではなく、
「横田さんは骨格ウェーブである」
↓
「骨格ウェーブの特徴は華奢さ、なだらかなボディラインである」「骨格ウェーブは足し算スタイルが得意である」
↓
「だから両手のシュシュが似合う」
なのです。
これが仮にストレートタイプであれば、むしろ無い方がすっきりして良い、となります。
ストレートさんは手の厚みや筋肉感を拾ってしまい、隠したかったはずなのに目立ってしまうので避けた方が無難です。
隠したくてカバーしたのに、むしろ目線を向けられる、目立つって、ちょっと嫌じゃないですか?
もちろん、シュシュがない方がすっきりして見えるのは、骨格ウェーブであっても同様です。
重要なのは、「すっきりして見える方が印象が良い(=ストレート)」のか、「華やかな方が印象が良い(=ウェーブ)」のか、ということです。
これ、「両手のシュシュは華奢見せ効果」という情報が独り歩きしてしまって、華奢見せを期待したストレートさんが両手にシュシュをつけて、却って悪目立ちしてしてしまう(いわゆる「事故」というやつ)のでは……と危惧しているので、個人的には声を大にして主張しておきたいです。
横田さん自身は鍛えていらっしゃる方ですし、「骨格ウェーブ=脂肪のつき方に特徴がある」という情報から「骨格ウェーブには筋肉がない、つきづらい」と思われる方は多いです。
ですが、そもそも男性は女性に比べて筋肉がつきやすく、骨や筋が目立ちやすいので、筋肉のある骨格ウェーブ男性は普通にいらっしゃいます。
それから、横田さんは、骨格ウェーブ男性としては割とわかりやすい部類です。
エーステの咲也くんよりは物吉君の方が説明しやすいかな、といったところ。
横田さんがX(旧Twitter)にてアップされていたお写真で、とても分かりやすいものがあったので、後日それを引用しながら、また解説していければなと思います。
(3)露出、肌見せの妙
これは正直、物吉くん自身のキャラクター性や元々のキャラクターデザインもありますが、他の刀剣男士と比較すると、露出がかなり少ないのです。
めっちゃ脱ぐはずの(本公演の)第3衣装でさえも。
(むしろ肥前くんは凄く脱ぎますよね。江水の初見はビビり散らかしました)
これの何が良いのかと言うと、そもそもウェーブは胸元や背中の露出が苦手なんです。理由は「貧相な印象を与えてしまう」から。
でも診断士によっては「ウェーブは肌見せが得意なので、とにかく露出していきましょう!」と説明してしまう診断士も……
「肌見せが得意」と「胸元や背中の露出が苦手」は、ちゃんと両立します。
要は、「体のどの部分を露出するか」なのです。
ウェーブの露出ポイントは、主に
・二の腕
・背中
・袖丈(長さに得意不得意がある)
です。細かく見ていけばもっとあります。
これを今回の物吉君に当てはめると、
・二の腕……前半衣装では露出していないが、後半衣装では露出されている。
・背中……露出なし。
・袖丈……前半衣装は5分丈、後半衣装は3分丈。いずれも得意な長さ。
と、ウェーブの露出としては、かなりポイントが抑えられています。
それから、忘れてはいけないのがパフスリープ。ミュの物吉君といえば、みたいなところ、ありませんか?
骨格ウェーブはパフスリープが得意です! 半袖でも、長袖でも。
半袖ならデコルテエリアを華やかに装飾してくれるアイテムになりますし、長袖なら、大人っぽくも、上品な可愛らしさを演出してくれます。
そりゃ似合うわ~って感じですね。
また袖幅やシルエットに関しては、幅が大きいよりもタイトめな方が得意なのがウェーブです。
前半衣装のジャケットは割と袖幅が肩口から先まで均等で、タイトめなシルエットとなっていました。これも横田さんの骨格に似合う形です。
「細身や華奢さを強調するなら、むしろ幅が大きい方がいいんじゃないの?」と思われる方は多いでしょう。
対比で細く見える、ということですね。
実際、私も昔は同じように考えていました。が、違うんですよね……。
この辺りの解説は長くなってしまうので、別の機会に回そうと思います。
②鬼丸国綱役 林光哲さん
花影の現地に行けてなかったので、初めましての方でした。
実は花影の配信を拝見したときから思っていたことなのですが、衣装と骨格は正直、合ってません。
というか苦手な要素が多すぎて、着太りしちゃってるな~、と思っていました(林さんごめんなさい)。
でも映像と現地じゃ感じ方も違うだろう、と今回割と注目していた方なのですが、まあ思っていた通りというか、やはり衣装との相性はあまり良くないかなといったところ。
では、なぜこの記事で取り上げたかといえば、「むしろキャラクターの再現に一役買っている」からです。
林さんは、骨格ストレートです。
顔の形や筋肉の付き方など、ストレートの要素が多いことに加え、衣装とのバランスなどを見て、すぐに分かりました。
まずは前半衣装を振り返ります。
・髪型……顔周りの動きが多く、前髪も幅が広い上に毛量が多い、長さも長め。丸顔を強調してしまっている。
・眼帯(?)……存在感が強く、目立つ。内番の眼帯の方がまだすっきりしている。
・チョーカー……首が短く見えてしまう。首が長く見えるほど小顔に見えるので、こちらも丸顔を強調する。
・ジャケット……丈は良い(もっと長くても良い)が、着太りしている。素材の相性が悪いかもしれない。骨格ストレートは長め丈などで重心を下げた方がバランスが良いが、髪型~チョーカーの影響を緩和できておらず、全体的に上がってしまっている。
・パンツ……素材の相性は良いと思われるが、装飾が多いので太ももが太く見えてしまっている。
と、苦手要素てんこ盛りです。
これが一般の方であれば、私は勧めないというか、緩和策を提案します。
ただ、鬼丸さんって、相対したときの「迫力」や「力強さ」「圧迫感」がミソではないですか?
(私だけの印象だったら申し訳ないのですが)
鬼丸さんのこの衣装、もともと上半身に偏っている重心を衣装や装飾によって、更に上に上げることで、その「圧力」「力強さ」「圧迫感」を再現している、と、私は思うのです。
俳優さんと衣装の相性として見れば着太りしてしまっていはいるけれど、それを敢えて無視することで、「鬼丸国綱」を顕現できているのです。
ちなみに内番衣装ですが、こちらは割とストレートさんが得意な着こなしになっていました。
特に良いのが、胸元の露出ですね。
ストレートさんは胸元と背中が露出ポイントです。これは後日また詳しく。
それから、首元がV字のシルエットになることで相対的に首が長く見え、丸顔を緩和しています。
個人的には内番衣装ってリラックス感があるんですよね。特にジャージの子たち。
戦闘服などとの対比によって、そのリアリティを感じれられて、個人的には好きなポイントです。
話を戻します。
筋肉には存在感があります。骨格ストレートさんには、その身体に主張が、インパクトがあります。
ですが、飾りすぎればそれは「圧力」となり、相手に圧迫感を感じさせてしまう、なんてこともあるのです。
ですから、診断士は「引き算スタイルにしましょう」「重心は下げた方がいいです」とアドバイスをします。圧を与えてしまっては、良い印象は得られませんからね。
ちなみに、骨格ストレートさんは、人見知りをする人に怖がられやすい、なんて傾向もあります(私調べ)。
私もたまに人見知りをすることがあるのですが、99%の確率で、相手は骨格ストレートさんです。無意識に圧迫感を感じているんでしょうね。
……と、たった2名にフォーカスしただけなのに、書きあがるまで二週間以上かかってしまいました。
これ、全員分書きあがる頃には円盤がでているのではないでしょうか……。メモは取ってあるのですが。
診断士としての資格を得て、刀ミュの現場に入ったのは、今回が初めてでした。
どの刀剣男士の衣装も「その場に刀剣男士を再現する」視点で考えたときの最適解が選ばれているな、と思ったのは事実です。
なので早いところ全員分書きあげたいなと。いや本当に。
それに、刀ミュ刀ステ、どちらにも顕現している刀剣男士についても考察したいんですよね。特に伯仲。
ケツを叩きたいので先に書いておくと、ミュんば先輩・ミュの長義はストレートです。で、ステのまんばちゃん・長義はウェーブです。
ミュんば先輩を江水で見たとき、骨格でキャラクターイメージ掴めるな、と思ったので、どこかでちゃんと比較したいですね。特にまんばちゃん。
……単独行記念で書きますか。
その前にエーステかな。他の現場にも色々行ってたので、そちらについても書きたいのですが、時間がね、ないんですよね。
通勤時間にぼちぼち書いていくしかないんでしょうけど、満員電車だから気を遣うしな、と遅筆の言い訳をしたとろで、今回の記事はここまでにします。
閲覧ありがとうございました。