自己診断ってどうよって話
久々のコラムっぽい記事です。
はい、いきなり結論。
正直良くないと思います。でもとっつきやすさはピカイチ。
「セルフ診断で分かるのに、なんでお金払ってまで診断を受けないといけないの?」と思う方は多いと思います。
いやね、分かりますよ。だって診断高いもの。ウン万円、なんなら10万以上する人とかいるじゃないですか。
私も診断を受けようと思って調べていた頃は「こんなにするの!?」って思いましたよ。
……とはいえ、これって、診断士の仕事が「知識を売る仕事」かつ「単回で終わりがち(リピーターを作りづらい)」からなんですよね。
利益を出す一番簡単な方法は、「モノを継続的に売る」ことなんですよ。その商品を気に入ってくれた顧客はリピーターになって、永く購入してくれる訳ですから。
パッケージを新しくしたり、内容を少しずつ変えることも、その施策なのです。
うーん、メーカー勤務者視点だな。
ではなぜ、プロはプロ診断を勧めるのか。
もちろん自分の利益になるから、というのは大前提ですよね。
そうでなければ、わざわざ営業や宣伝なんかしませんから。
とはいえ、プロ診断にしかないメリットもあるのです。
それは、「絶対的な判断基準」と「丁寧なヒアリング、カウンセリング」です。
具体例を挙げて説明します。
私の友人には、すぐ顔が赤くなる女の子がいます。
「この部屋、かなり冷房効いてるけど……暑いのかな?」と思うくらい、常に頬が真っ赤なんですよ。対して、私はそこまで赤くなるか、と言われると、そんなことはありません。
お酒飲んでもあまり顔色変わらないです。
今の部署は下戸が多くて、私は割と強い方かつ好きな方なので、接待があると「来ない?」って言ってもらえることが多いです。
タダ飯、タダ酒の機会は大切にしたいので、必ず参加します。食費を浮かせる、大事。
お酒が飲めると、特に偉い人や年配の方に好かれやすいので、この体質が有難いですね。そして更に酒の席に呼ばれ、そこで初めましての方に気に入られ……これ無限ループだな?
以前、出張先で、取引先の方と食事をしたときのこと。
翌日に仕事を控えていたので、少し嗜むくらいにしようかなと思っていたのです。
今までメールでのやり取りしかしていなくて、初めましての方々だったので可愛い子ぶって※「桃酒のソーダ割♡」とかほざいてたのですが、上司が「この子飲めるんですよ~」と言ってしまいまして。
とはいえ、あちらに日本酒お好きな方がいらしたので、観念して(?)勧められるまま飲みました。
※お酒飲めない子、甘いお酒好きな子ってなんとなく可愛いイメージありません?
(でも、かわいい子が飲める、ってのも可愛い。この世の女の子はみんな可愛いんですよ)
地酒をいただいたのですが、まぁこれが美味しくて飲みやすい。
向こうも接待している側なので、飲める人間がいる、となると、お猪口が空いたらすぐ注いでくれるんです。
結局、お相手企業の方おひとりと私で、3合ほど飲み尽くしました。いやぁ美味しかった。
その方は割と分かりやすいくらい赤くなって、かつ肌も透明感のある白い色をしていたので、「おっ分かりやすいサマーさんだな」と密かに思いました。
対して、全く顔色の変わらない私。うん、途中、前髪を直すフリをして何度か鏡を見ましたが、全く一緒でした。
こうなると、ずっと酒を注がれる運命です。だって酔っていないように見えるんですもの。
……何の話だったっけ?
そうそう、「顔の赤み」ですね。
はい。だからこそ、私の認識は「赤みが目立たない」だったんです。
「常に赤みが目立つ友人」「飲酒しても顔色の変わらない自分」が基準だったからです。
実際、サンプル数をたくさん増やすと、私は割と赤みが目立つ方です。
手の甲を見ると、ところどころ血色感が分かるんですよね。甲の骨の部分とか指先とか、特徴的です。手のひらもそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1713407762373-gTNyV5JCIM.png?width=1200)
そう、友人は「赤みが目立ち"すぎる"」のです。彼女が比較対象になった時点で、基準が歪んでしまっていますね。彼女のような"他と比べて極端に離れているもの"を外れ値とも言います。
いわゆる「校長」ですね。(知らない人はググッちゃだめですよ!)
さて、自己診断サイトには「顔の赤みが目立つ/目立たない」という設問があることが多いです。
以前の私が、外れ値である友人を参考に、「私は赤みが目立たない」と入力した時点で、正確な診断はできません。
だって、自己診断サイトは、回答を機械的に集計して点数付けしているだけなので。
こんな風に、その人の交友関係や認識によって、診断結果がねじ曲がってしまうのです。
では骨格診断の話。
こちらも、種々のサイトを見比べましたが、基本的な診断は教科書通り。
なので、「素人の方が、自身の身体の特徴を正確に把握できていれば、100%の診断結果になる」ようにできています。
ところで、自分の身体の特徴を正確に把握している方って、どれくらいいるのでしょう。
ウェーブである私の自己診断は、ストレートでした。
それは、
・首が割と短めだから
・鎖骨が埋もれているから
・弾力のある肌質だと思っていたから
です。
人間には、2つの特性による、身体の特徴があります。
それは「遺伝によるもの」と「環境・経験によるもの」です。
「遺伝によるもの」は分かりやすいですね。
私は嫌になるレベルで父親そっくりですが、このパーツは母親譲りだな、と思う場所もあります。
とはいえ、うちの両親はどちらもウェーブタイプなんですけどね。
母は分かりやすいウェーブ、父はストレート要素もあるウェーブです。
これを祖父母にまで遡ると、一人だけゴリゴリのナチュラルタイプがいます。母方の祖父です。
そのせいか、叔父(母の弟)は、少しナチュラル要素が目立ちます。
私の身体には、ナチュラル要素が少しだけあります。それは膝とすね。これは母方祖父からの遺伝なのでしょう。
それでは「環境・経験によるもの」とは何なのでしょうか?
分かりやすいのが、「水泳やっています/いました」という方。
あとは「自転車乗ってます」という方。
要は、日々の生活習慣やスポーツ経験など、その方が生きてきた中で蓄積された経験が、身体の特徴として表れたものですね。
水泳なら、肩周りを多く動かすので、触るとかなりガッチリしています。上半身が薄いウェーブでも、水泳経験者だとストレートと同じような感触になることもあります。
それから、正座で多くの時間を過ごすことの多い「茶道・華道・書道」などの習い事や、自宅で正座をすることの多い方だと、膝が前に出て目立ちやすいです。
けれど、自己診断サイトに、その部分を判断できる要素はありません。
あくまで「今の体つき」しか見ていないのです。
仮に、水泳経験者のウェーブタイプが自己診断を行った場合、ストレートタイプと判定される可能性があります。
全体のバランスやラインを見るとストレートタイプだけど、ちょっと筋っぽいところがあるから、と、ナチュラルタイプに分類されてしまう可能性もあります。
正確な診断のためには、経験を積んだプロの目で、あなたと相対する必要があるのです。
診断士は、数多くのお客様と接していますから、判定基準がしっかりしています。
あなたが、「私の肌は黄みが目立つ」と思っていても、実は、周りの人が色白すぎるだけで、あなたのお肌に黄みは少ないかもしれません。
あなたが、「私の手は厚みがある」と思っていても、あなたの目にはそう見えるだけで、診断基準と照らし合わせれば、十分薄いのかもしれません。
あなたが、周囲の人に「暗い色が似合うね」と言われていても、それはあなたが色白だからそう言っているだけで、あなたの魅力を一番引き出してくれるのは、明るい色かもしれません。
しっかりした診断基準を知っているのは、診断士だけなのです。
だからこそ、セルフ診断は誤った結果になりやすいのです。
"セルフ診断でいいや"と思っている、そこのあなた。
それでもいいのです。けれど、できるだけ多くの人と接して、自分を観察してください。
50人はサンプルケースが必要です。
だって、ナチュラルタイプや、オータムさん・ウィンターさんは珍しいから。
それが面倒だと思うのであれば、プロ診断をおすすめします。
お値段が高い! と思っても、長い目で見ると"コスパ""タイパ"は良いのですよ。
結論。自己診断はオススメしづらいです。
理由はこちら。
①自己分析は難しく、客観的な評価がしづらいから。
②比較対象が外れ値である可能性が高いから。
③遺伝的特徴と環境・経験的特徴を区別できるサイトがないから。
④診断基準を作るには、たくさんの人の特徴を知らなければならないから。
自己診断の際は、以上の事柄にご注意を……!