粗放的有機農業⑩ ~生育を診断する~
発芽し、生長を開始した野菜たち。
その生育がどうなのか、現時点での診断をしてみよう。
トマト
早く発芽したものとそうでなかったものがある。早く発芽したものが、多分ノーマル。
その後は順調に大きくなって、現在は、本葉が数枚展開している。
栽培種トマトは、その原種の片親が「痩せ地」の環境に自生する。なので、ここのような「地力」のない畑でも、比較的よく生長できるものと、僕は考えている。
キュウリ
発芽は順調で、苗立ちもよかった。
だが、それ以降の生育にストップ感がある。
あの小さい種から・・と思うほど、緑が濃くて大きい双葉を展開するが、そのストックを使い果たし、色も淡くなり始めた。
正念場に入る。
エダマメ
発芽から初期生育は至って順調。発芽率もほぼ100%である。
本葉が展開し、大きくなり始めたが、一方で、葉の色は淡くなっている。
現在の”体”が大きいだけに、コケないか、気になるところである。
スイートコーン
発芽率は30%程に留まった。原因としては、低温や鳥害が考えられる。1か所2粒まきしたが、奏功していない。
第4葉くらいになっているが、葉の色がものすごく淡い。
典型的な「窒素不足」、つまり、肥料切れの症状を呈しているが、ここから、肥料分の吸収が始まるか?
吸うだけの肥料分が、この畑にはあるだろうか?
とりあえず、「追いまき」(追加の種まき)を実施する。
フダンソウ
こちらの発芽率は、スイートコーン以下である。10%程度だろうか?原因は初期の低温なのかな。あるいは、土壌のpH?
発芽したものも、その後の生育はほぼ停滞。”動いていない”といっても過言ではない。
抜本的な対策が必要である。こちらも、追いまきをしておこう。
・・ざっとであるが、現時点での総括は、以上。
一般に、有機栽培の作物は葉の色が淡く経過するものだが、僕に「ユウキ」を語ってくれたある農家さんは、
「いかに有機って言うても、最初に色が出んかったら、絶対に穫れん。」
と言っていた。
なので、この段階で何か「手」を打たなければ、最悪枯れるか、枯れなくても、収穫はほぼ皆無・・という結末になると思う。
ここはもともと、石・砂まじりの地力のない畑に、化成肥料を連用してきた履歴であり、また、ミミズや小さな土壌生物もほとんど見られない、やせたフィールドだから、そうなっても仕方はない。
が、このまま、収穫皆無というゴールに突き進むのか、多少、本筋からは外れても、一定の成果を目指すのか。