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農業をひも解く27 ~農業におけるBCP~

6月1日
今朝の日経に、二つの記事が躍っている。

肥料値上げ、最高値
JA全農最大9割 野菜価格押し上げ
(第2面)

工業用水BCPに盲点
愛知の漏水2週間 水質確保、復旧の壁に
(第15面)

記事を読まれた方もいるだろう。

さて、「農業」であるが、その本質は

国民に食料を供給すること。

である。
もし、農業がポシャれば、ほとんどの国民が食料を失うことになる。

だから、農業には、ある種の「責任」があるわけなんだけど、

何かあっても、農業という事業を継続できるか?

こういうことは、他産業に比べ、顧みられていないと思う。
そう、農業には、

BCPの考え方が欠如している

ということだ。

もちろん、農業法人なんかの場合は、その「企業」がBCPを考慮しているはず・・ではある。

で、先述の「肥料価格」の問題については、その兆候は、およそ1年前から見られていた。

EV化の波に影響されて、アンモニアの需要が高まった。アンモニアは、肥料の主要な原料である。
そのアンモニアに関していえば、

農業という産業は、工業という産業に買い負けした。

ということになる。

昨夜のニュースでは、肥料価格の原因を主に「農産物の需要増によるもの」と論じていたが、僕は違うと思う。

愛知の漏水では、「工業用水がなくなるなんて、考えてもいなかった。」という企業は操業が停止したままであり、「有事の際は、雨水や上水道なんかの利用を想定していた。」という企業は、完全とは言わないまでも、操業を再開できているようだ。

インフラ依存の現在の農業では、肥料だけでなく、水に関しても、

他者に依存

していることが明確になった。
お役所とかに「なんとかしてくれ!」と言っても、多分どうにもならない。

この秋、肥料は倍近くに価格高騰する。大規模稲作ならば、生産原価も倍近くに上がる。この時点でも「赤字転落」が見えているが、これに「米価の下落」が加わったら、どうなるのか?

貸借対照表的に余裕のある経営なら単年度のダメージで済むけど、「資金繰り」で自転車操業している経営なら、そのダメージは致命的だ。

今から準備できることは何か?


BCP
しておこう。


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