予祝23
前回の続きです。
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そこは、夢で見たことのある景色だった。
「ゆきさん、ようこそ。」
ある「人物」がそこにいた。
美しく、威厳と知性を感じさせる”男性”だ。
どういうわけだろう、彼は僕のことを知っているらしい。
はじめまして・・僕がそう言う間もなく
「どちらにしますか?」
彼は問うてくる。
僕は少し戸惑いながらも答える。
下、でお願いします。
彼は微笑むと、
「わかりました。」
そう言って船を発進させる。
船はあっという間に上昇し、宇宙空間に静止した。
コックピットから地球が見える。
「しばらくこの星を離れることになります。」
はい・・僕は小さくそう答えた。
わかってはいたことだが、やはり寂しい。
みんなどうなっているんだろう・・
「心配することはありません。みんな、自分の選んだ道を歩いているのですから。」
そうか、彼は僕の心がわかるんだったね。
「少し休むと良いでしょう。少数ですが、仲間もいます。」
僕は別の部屋に案内された。
これが仲間か・・
僕達は微笑みを交わす。
もう戻れない。
けれどこれは、
自分の選んだ道
なのだ。
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