畦ぎわ50cmの攻防
10月中旬、田んぼの草刈りは終盤に突入している。僕達の作業も、ほんの少しだが余裕が出てきた。
先日、朝、アニキのところで缶コーヒーをいただきながらみんなと雑談をしていた。するとこんな話が飛び出した。
「イボクサが邪魔なんすよねえ・・」
イボクサ。水田の厄介な雑草の一つである。
具体的にどう邪魔なのか?理由は以下の二つ。
1 稲刈りの際、先端のデバイダにダンゴ状に引っかって詰まる。
2 コンバインの胴の中で詰まる
(写真は別の草)
草刈りを通じて農家を助ける。それが僕の思いだから、改めて圃場を観察することとした。
とある圃場。稲刈りはすでに終わっている。
イボクサが確かあったはず・・
ありました。
赤で矢印をつけたところ、ここが全てイボクサである。幅およそ50cm。
アップはこんな感じ。
そして確かに稲と被っている。
黄色のマルが稲です。
イボクサは乾燥を好む。この田の場合、畦畔から侵入しているようにも見えるが、問題はここが
畦ぎわ
だということだ。
草を刈る人は感じていると思うが、この「畦ぎわ」というところは、トラクターからも刈払機からも”死角”になりやすい。
トラクターは畦を削ってしまわないよう少し距離を取る。
刈払機は、うまくそこに刃を入れられない。
そんなこんなで、畦ぎわの草は生き残り、生長する。イボクサだけでなく、クサネムやアメリカセンダングサなど、草種は多岐に及ぶ。
加えて大規模農家は忙しい。畦ぎわの除草を丹念にやっている暇などない。
かくしてこのような構図が出来上がるのである。
畦ぎわ50cmの攻防か・・
そんな台詞が頭に浮かぶ。
この問題を解決するのは僕の仕事だ。放っておいても事態は変わらない。
もとより、畦ぎわの除草、それも冬入り前の秋の除草をどれだけできるのかは僕の課題であった。どうやら僕は田の神に対応を問われたようだ。
やるか。
アニキと相談の上、僕は対策に着手する。