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水田の畦畔管理89 ~最低最悪畦畔のクズの様子~

標題を読むと、なにやら、「最低最悪のクズ野郎」の話に見えますね。(笑)

いやいや、そうではなくて、植物の「クズ(葛)」が、田んぼの畦に生えてるって話です(笑)。

さて本題。
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あっという間に3週間ほどたった、この畦畔。

少し間が空きすぎたが、様子を見てみよう。

遠目には、草が生え始めている。ま、こんなもんでしょ。

近づくと、この畦畔にはびこる「多年生雑草」が息を吹き返しているのがわかる。
これも想定の範囲だが、やっぱ、しつこいねえ・・

ノブドウ
カラムシ

さあ、問題は「クズ」である。同じく、旺盛に生育している。

クズ

クズはこの時期、1日に50cm以上も伸びる。
・・ってことは、14日あれば、50cm×14日で、なんと

7m


にも達する可能性があるのだ。

これが、クズが畦畔に、「あっ」という間に侵入し、辺りを席巻する理由なんである。

この「最低最悪畦畔」は、クズが侵入して何年もたつわけだから、クズはしっかり根を下ろし、土中に巨大な闇の帝国を築いているはず。
だから、戦いは長期戦、じっくり腰を据えて対処する必要がある。

この日は、前回の処理で所在がわかったクズの株に、「ケイピンエース」を打ち込んでいくこととする。

どうせ1日で終わるはずもないんだから、法面の上の方から攻めていこう。
おおかた2mの幅をやっつける。

「つる」を目当てに株を探すわけだが、この株が思ったより多い

・・どういうことだろう、これは?


疑問が生じる。
これは要チェック事項だ。

片っ端から作業していく。
すると、その理由がなんとなくわかってきた。
仮説としてはこうだ。

・クズが、元株からつるを伸ばす。→ 元株を「ラスボス」と呼ぶ。
・長く伸びたつるは、途中が膨らんで、そこから真下に根を下ろす。→ 「前線基地」と呼ぶ。

・刈払機でつるが断ち切られ、「前線基地」が孤立する。
・するとその前線基地は、「ラスボス」よろしく、別の個体として、分離・ 
 独立して生長を開始する。

つまり・・
ニンゲンは、

草刈りによってクズの「個体数」を増やしている


のだ。
そう、自分で倍々ゲームにしているわけ。
こいつは問題だ。・・てか、よくある話なんである。

そんな目で、各「施工箇所」を見てみると・・・

頭が黄色いマッチ棒のようなものが、ケイピンエース
太いステルスつる。切られたところから新芽が出ている
これも太い。パワフルだ
前線基地
切断されたステルスつる
分断された前線基地。新芽を吹いている
ラスボス化した前線基地

・・こんな感じ。

地下に潜って「ステルス化」した茎は、毎年太りつつ、時にニンゲンによって分断されることによって、大量に分身を作り出しているようだ。

こうなると、有効な対策は

除草剤


しかないことになる。

ただ、除草剤の使用には慎重さが必要であり、それによって植生がリセットされれば、その回復には時間がかかる。よい植生に誘導するのもなかなか難しい。

この日は、ケイピンエースを100本使用した。

全弾打ち尽くした

来週には、目に見える形で、その効果の範囲が把握できるだろう。

けど、それでも、効果は限定的なものに過ぎない。

・地上部を刈り取って、繁茂と地下部への養分蓄積を妨害しつつ、
・ケイピン・エースで、個体を少しづつ枯死させるとともに、
・茂った葉に「アージラン」をスポット散布することで、やや広域的に勢力
 を抑え込む

こんな作戦をとる必要がありそうだ。

うーん・・
まさに「戦争」である。

※お盆前の執筆です。


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