
やはり。
昨夜のことである。
--------------------------------------------
カンヅメ4日目。いよいよ明日は最終日。
僕は今回、こう考えていた。
現場で、実地にやっている人の話を聞こう
と。

研修自体は悪いことではない。けど、せっかく同じ立場の人が集っているのであれば、「人」に話を聞いてみよう。そのほうが、より中身のある研修になるんじゃないか・・
僕はある人物に白羽の矢を立てた。彼は、僕が農業の分野からきていると自己紹介した時、とても関心を持ってくれた。
その道のベテラン、という感じの方である。仮にAさんとしておこう。
「Aさん、よかったら、夕食ご一緒していただけませんか?いろいろお話を伺いたいので。」
するとAさんは、
「もちろん! いいですよ。」
話はすんなりまとまった。
食堂での待ち合わせは19時。
AさんはすでにビールをGETしておられた。じゃ、ということで僕も追従する。
「お疲れ様です。カンパイ。」
ささやかな宴が始まる。

話は完うな路線から始まった。僕は質問などしながら、この分野のスタンダードを学んでいく。
ところが、話は意外な方向に。
「実は僕、前の会社を辞めて今の会社を作ったんですよ。」
なんだこの展開は?
「前の会社では、自分の実力を発揮できないと思いましてね。意を決して出たんですわ。」
むむむ・・・
この流れはどこに向かう?
そう。Aさんは僕の同類だったのだ。しかも僕より、時間軸的に少し先に行っている。
話は進む。
「それでね・・」
A氏がにわかに立ち上がる。
ズボンの両ポケットをごそごそやって出てきたのは・・・
なんと、伊勢のお守りだった。しかも内宮と外宮。
「これを、従業員の全員にもたせているんですよ。年末に新しいのに替えるんですけど、泥と汗で汚れて、ほつれたりなんかしてるの見ると、涙が出るんですわ。」
A氏は少しうるっときている。

僕は昨日、こういう記事を書いた。
やはりその感覚は間違っていなかった。
「これからもつながっていましょうや。」
Aさんはそう言って、僕たちは改めて杯を交わす。
僕たちが今後、どのように関わっていくのかはわからない。けど、僕がやりたいと思っていることを実践しているお手本がそこにいた。
実際僕は、起業したら「堤治神社」をみんなで正式参拝し、お守りをいただこうと考えていたのである。
これは神の思し召しか。
いや、違う。
これは、自分が引き寄せた未来なのだ。