粗放的有機農業② ~畝立て~
金曜まで雨が続いた。直後の土曜日は、「土をいじる」作業は避けたほうが良い。土が団子になったり、粘ついたりして、いいことはない。
というわけで、晴れた日曜日、「畝立て(うねたて)」の作業を行った。
この畑は、先週、一度トラクターで耕うんしているわけだが、ロータリーの刃が「ゴンゴン!!」と当たる ”底” を「耕盤(こうばん)」と考える。この耕盤の存在は、もとは水田であったこの畑には重要な存在だ。
耕盤がなければ、田んぼに水はたまらない。
で、その耕盤の上にあるのが「作土(さくど)」、実質的に使える土の層である。
畝を立てる場合、畝はこの耕盤の上に乗っかる形になりますね。つまり、畝の高さは、耕盤の上にある土の量に左右される。
だから、作土が浅い畑の場合は、畝と畝の間の「通路」を広くとって、その通路の土を畝にあてがうことが必要となる。
さて。
まずは、歩行型のトラクターに「培土板(ばいどばん)」を装着してやってみよう。
畑は幅が6mで、1.5mで4区分する方向だ。
機械のイメージとしてはこんな感じで、「鋤(すき)」のような形状の装置が、土を左右に分けていく、という仕組みである。
なので、この装置に、土を「盛る」能力はないわけである。
要は、高い畝は作れない、ということ。
となると、後は手作業。「鍬(くわ)」でもって、えっほえっほと土を盛ることになる。
この、「土を動かす」作業は、基本的にしんどい作業だ。
土を寄せて、盛った写真がこちら。
見にくいけど、こうなる。
通路が広くなったことがわかるだろうか?
結果的に、畝の天井の幅は狭くなりました。
次に、もっと大きな機械を使ってみよう。
これは、「畝立て同時マルチャー」といわれるもので、畝を立てながら、同時に「マルチ」を張っていく優れものだ。
粗放的有機農業ではマルチは不要なので、セットしていない。
こんな感じになるわけです。
その秘密は、これ、「スプーン」のような形をした「爪」にある。
この爪には耕す能力はない。そうじゃなくて、土を真ん中のほうに掻き上げるのがお役目だ。
素晴らしい発明である。(笑)
ちなみに、こいつは、バックで作業いたします。
出来た感じがこちら。
左2本は、この機械のみで立てた畝。きれいなカマボコ型に仕上がっている。
左から3番目は、鍬で立てた畝をこの機械でもう一度作業した畝。車体が傾いたため、畝の形がちょっと変になっている。
一番右は、手作業したやつだ。
機械は偉大ですねえ・・・(笑)
さて、結局、「高畝にしたい」という目的は果たされたのだろうか?
写真をご覧ください。
左は耕うんしただけの部分。作土の厚さは15cm。
右は畝立てした部分で、(畝の)作土の厚さは30cm。
これが、まあ限界ということですね。今回はこれで良しとしよう。
写真を撮り忘れたが、畑の周囲の「溝」も形成して、排水に配慮した。
引き続き、「播種(はしゅ)」となるのだが、これは次週に譲る。
その理由も含めて、来週noteしよう。