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に:日本人のDNA。

数年前に友人と伊勢神宮に行ったことがある。

夜9時出発~朝5時到着の強行スケジュールで体はしんどかったけど、
朝から伊勢神宮に参るのは貴重な体験だった。

伊勢神宮に降り立つと朝5時で秋だったこともあり、
まだ真っ暗闇で、街灯の近くに行かないと人の顔が認識できないほどだった。はじめに少しガイドさんから集合時間などの案内があったが、
すぐ敷地内(おそらく内宮の中、覚えていないけれども・・・)に入らせてもらった。日本人らしく写真を撮りたいところだが、暗くて何も見えない。

ただ、見えなくとも伊勢神宮の静けさや荘厳さを感じ取って、
厳かな雰囲気にのまれてしまいそうだった。
決して「恐怖」とかネガティブな感情があったわけではない。
「尊敬できるすごい人」が自分に話しかけてくれるみたいに、
気安くぺらぺらと話してはいけないのだろうけど、
なんだか安心できる、というような感覚にとらわれた。

ほかの観光客もちらほらいるし、誰もいないわけではないのだけど、
世界で自分一人ぼっちのように感じて、不思議だった。

それがなんだってわけでもないし、
特段何か自分の中に変化したことがあるわけでもない。

そんな場所があるんだな、とか、
特段日本を意識して生活しているわけでもないのに、
(茶道をやっているから少しは意識しているほうかもしれないが)
荘厳とか思うのだな、と思って少し驚いただけである。

日本人のDNA的なものがあって、
神社とか寺の静けさに「荘厳だな」「厳粛な雰囲気だな」と思ってしまうのだろうか。

といっても、ヨーロッパに教会があるように、
アジアに寺院があるように、
どこに行っても宗教の建造物はあり、
そのどこであっても静謐さを感じているので、
日本人だからというわけでもあるまい。

そうだとしたら、誰かから教わったわけでもないのに、
何でそう思ってしまうのだろう。

宗教的なものに、歴史的なものに、
圧倒的な力のようなものを感じるということが、
「荘厳さ」を感じるということなのだろうか。

新しかったものでも時を経ると、
歴史の重みが付加されて感じ方が変わっていく。

なんにしても、日々の中では得られない感覚なので、
訪れた場所だけで体験できる雰囲気・気持ちを大切にしたい。




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